研究課題/領域番号 |
22K03668
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
安井 崇 北見工業大学, 工学部, 准教授 (20403438)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アストロフォトニクス / 中赤外 / 光導波路 / 光集積回路 / 等価屈折率法 / 差分法 / ビーム伝搬法 / 中赤外域 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,astronomical N-bandと呼ばれる波長8~12μmの中赤外域で動作する高性能なアストロフォトニクス用光集積回路の設計手法の開発を行う.具体的に,カルコゲナイドガラス光導波路を材料とする光集積回路の高性能化について検討を行う.数値解析手法を駆使することで,中赤外域におけるカルコゲナイドガラス光導波路の導波特性を解明し,広い波長帯で低損失など高性能な光集積回路設計のための指針を明らかにする.また,トポロジー最適化などの自動最適設計手法を用いることで,設計者の経験や勘に頼ることのない高性能なアストロフォトニクス用光集積回路設計の実現を試みる.
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研究実績の概要 |
1.導波層にAs2Se3,基板にAs2S3を使用したカルコゲナイドガラスチャネル光導波路について,波長8-10μmのastronomical N-bandでの曲げ損失の評価を行った.評価手法として,2次元有限差分ビーム伝搬法を使用した.また,等角写像によって得られる等価直線光導波路に対する評価を行った.単一モード動作する90度曲げ導波路に対して純屈曲損と挿入損失の評価を行った.曲げ半径に対する損失,導波層幅に対する損失,ultrafast laser inscriptionによって得られる導波層部分の屈折率増加量に対する損失の影響を詳細に調べることで中赤外アストロフォトニクス用光集積回路を設計するための指針となる特性を明らかにした.本件に関する研究成果がIEICE Trans. Electron.2023年3月号に掲載された. 2.導波層にTe2As3Se5,基板にAs2S3を使用したカルコゲナイドガラス・リブ形光導波路のastronomical N-bandにおける単一モード動作条件について評価を行った.評価方法には等価屈折率法を使用した.その結果,astronomical N-band全域において単一モード動作を実現する構造パラメータの組み合わせを明らかにすることで,カルコゲナイドガラス・リブ形光導波路を用いたアストロフォトニクス用光集積回路を設計するための基本的な設計指針のひとつを明らかにした.本件に関する研究成果について,電子情報通信学会光エレクトロニクス研究会および令和4年度電気・情報関係学会北海道支部連合大会において発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の研究では,導波層にAs2Se3,基板にAs2S3を使用したカルコゲナイドガラスチャネル光導波路のastronomical N-bandにおける曲げ損失特性を明らかにし,導波層にTe2As3Se5,基板にAs2S3を使用したカルコゲナイドガラス・リブ形光導波路のastronomical N-bandにおける単一モード動作条件を明らかにした.このように,2022年度の研究では中赤外アストロフォトニクス用光集積回路の設計に不可欠な基礎的特性を明らかにするとこができた. よって,本研究は「おおむね順調に進展している」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
中赤外アストロフォトニクス用光集積回路の材料として有望視されているもののひとつであるIG2ガラスを使用した光導波路の基礎的伝搬特性の解明を行う.これにより,3次元光集積回路設計の指針となる光波の伝送特性を明らかにする. また,前年度の研究で得た知見に基づいて,チャネル型光導波路やリブ型光導波路を使用した光集積回路の構成要素の高性能化について検討を行う.
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