研究課題/領域番号 |
22K03669
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
釣部 通 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (60335338)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 連星 / 星形成 / 流体力学 / 連星形成 |
研究開始時の研究の概要 |
星の大半は連星である。星は、分子雲コアの重力収縮、 星の種の形成、質量降着による種の成長という形成段階を経てできるると考えられているが、連星の形成においては、このうち特に質量降着による種の成長段階に関して、まだ理解が十分に得られていない。本研究では、連星の種が周りから流れこんできた降着流により成長する過程を計算機による数値流体力学計算も用いて調べ、連星の種とその周りの円盤の自転と公転が連星の種の成長中に流入した降着流の角運動量からどのようにもたらされるかについて流体力学的に考察することにより調べ、形成される連星の連星間距離や質量比などの性質を決定する機構を物理的に理解しようとするものである。
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研究実績の概要 |
星の大半は連星である。星形成過程のうち、連星の形成、特にその質量降着期における連星の種の成長段階に関しては、十分な理解がなされていない。連星の種はその形成時には星の1000分の1から100分の1という小さな質量であり、その後、周りに取り残され動的に降着するエンベロープからの質量降着を経て成長して、初めて連星が完成するが、角運動量をもったエンベロープの降着により連星の種がどのように成長し、どのような連星になるのかという流体力学過程がまだ十分に理解されていない。 本研究の目的は、流体力学に基づく理論的考察によって連星の種への降着流の物理的理解を深めることで連星形成過程の解明へ寄与することである。連星の種の成長過程においては、降着エンベロープから徐々に大きな角運動量をもったガスが内側から順に連星の周りに降着して種が成長することが期待されるが、これまでの連星降着に関する多くの研究は、連星に対して無視できる程度の質量が準定常的に降着する場合、あるいは、連星の種の質量増加が小さい段階までであっ た。しかし、連星の種は自身より大きな質量のエンベロープの中に埋もれているため、その中での成長過程を理解することが必要である。そこで、本研究課題では、種の質量が大きく成長するまでの成長過程の研究を行う。 今年度は、初期の比角運動量分布が質量座標の冪乗で表される場合についても調べた。等温エンベロープの降着によって連星の種の質量が成長する過程について、数値流体力学計算も用いて考察した。その結果、比角運動量分布の冪指数には臨界値0.5が存在し、比角運動量分布の冪指数がこの臨界値に等しい時、連星は成長とともに連星間距離を変化させないことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は、連星の形成において、連星の種の質量が大きく成長する過程の理論的研究を行うものである。申請時の研究計画においては、今年度は、初期の角運動量分布が昨年度の基本モデルとは異なる場合についても数値流体力学計算も用いて考察する予定であった。今年度は、上記の研究計画通りの内容の研究を行ったため、おおむね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた流体力学計算結果の物理的解釈を深化させるとともに、予定通り、申請した研究計画に沿って、いくつかのケースについて計算の分解能を大きくした高精度な数値計算を行い、これまでに得られた知見の普遍性を確認する。更には、輻射やダストの効果として冷却や加熱の影響を近似的に取り入れた場合についても考察してゆく予定である。
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