研究課題/領域番号 |
22K03681
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
柴田 晋平 山形大学, 理学部, 客員教授 (90187401)
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研究分担者 |
木坂 将大 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (10639107)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 中性子星 / 磁気圏 / プラズマ物理 / 粒子加速 / シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙における極限状態を理論的に解明することで自然法則を理解したいと考えます。本研究では極限状態の一つとして地球上では決してできない超強磁場中で起こる現象を研究します。そのような強磁場中では、光が電子・陽電子という物質に変換されたり、光自身が分裂したりという現象が起こります。そのような現場である高速に自転する中性子星をスーパーコンピュータを用いてシミュレーションすることによって、起こっている現象を調べます。結果は、ガンマ線やX線宇宙望遠鏡の観測と比較することで検証します。宇宙の平均的なエネルギーよりも非常に高いエネルギーを持った宇宙線がそこで形成する過程を理解することができます。
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研究実績の概要 |
宇宙における極現状態の一つである中性子星の磁気圏で起こっている現象、つまり、高エネルギー粒子加速や強い放射の機構、を理論的に研究する。特に、強い磁場中で光子が電子・陽電子対に変換されたり分裂する現象を伴う現象を扱う。そして、高速に回転するパルサー磁気圏で粒子が電子対生成を伴いながら放電する様子をスパーコンピュータを用いたシミュレーションにより研究する。実際に観測されているガンマ線から電波までの強い放射機構を理論的に理解することを目標としている。一方、数値計算は誤差やアルゴリズムの不完全さによって物理的ではない誤った結果を与えることもある。それをカバーするため解析な研究も並行してすすめる。 本年度の研究はコンピュータシミュレーションに関しては以下の状況である。パルサー磁気圏での粒子生成が磁気圏構造に与える影響を明らかにするため、粒子の注入領域に対して複数のモデルを導入した2次元軸対称のプラズマ粒子シミュレーションを行った。その結果、粒子の注入領域が限られるほど放出エネルギーが小さくなることがわかった。また、共回転速度が光速となる光円柱より内側の場合は電磁場の散逸領域は光円柱より外側の赤道面の電流シートが支配的であるが、光円柱より外側で注入する場合は光円柱の内側でも散逸が起こることも明らかにした。 シミュレーション結果を理解するための解析的な理論研究も今年度は大きく進歩した。以下の点が解明された。(1) 従来から可能性が示唆されていた相対論的な遠心力加速は磁気圏のごく一部、閉じた磁場から開いた磁場への遷移領域のみで起こること, (2)磁気圏全体としては相対論的遠心力加速はおこらないこと,(3)遷移領域で生じる加速流はsuper-fast流になるが、遠心力ドリフト電流は磁場を開くまでに大きくなれないこと、(4)相対論的遠心力加速は磁気リコネクションを伴って起こること。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
シミュレーションを理解するための解析的な理論研究が予想以上に進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り研究を進める。ただし、シミュレーションコードをトリスタンに変更することでプログラムのメンテナンスをよくすることにする。
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