研究課題/領域番号 |
22K03696
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鍵谷 将人 東北大学, 理学研究科, 助教 (30436076)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 低散乱 / 軸外し望遠鏡 / エンケラドス / エウロパ / 噴出活動 / 低散乱望遠鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
ハワイ・ハレアカラに設置が予定されている1.8mの低散乱望遠鏡PLANETSを用いて太陽系の氷天体の活動現象の解明を推進する。特に、地表氷面の裂け目から地下海を起源とする水やその乖離性生成物を吹き出す氷衛星に着目し、その噴出(プリューム)活動の変動を数ヶ月以上の期間に渡って捉えることを目的とする。低散乱かつ高コントラストを達成する上で要となる、補償光学を備えたコロナグラフの開発を行い、天体輝面から0.2-10秒角の範囲において2-6桁の輝度差を有する対象の観測を実現することを目指す。これらを用いた連続観測により、将来のサンプルリターンや直接探査に必要な噴出活動の場所と、変動の特徴を解明する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、ハワイ・ハレアカラに設置が予定されている1.8mの低散乱望遠鏡(PLANETS望遠鏡)を用いて太陽系の氷天体の活動現象の解明を推進することを目的とする。研究計画では2023年度までに(1)PLANETS望遠鏡の開発と性能確認、(2)補償光学・コロナグラフの開発を実施することを予定していた。(1)のPLANETS望遠鏡の開発では、開発の最重要課題である主鏡の3点引き摺り法による形状計測手法の改善を進め、修正研磨の最終段階に至った。本研究ではロボットアームを用いた引き摺り3 点法を形状計測の基盤技術として利用し、計測再現性40nmの計測手法を確立するに至った。この手法を用いた研磨作業によって、形状誤差を700nmから65nmRMSに減少させ、目標とする45nm RMSの達成に目処をつけることができた。しかし、ウレタンパッドを用いた累積する修正研磨の影響により、20nm P-V程度の同心円状周期2mmのツールマーク形状誤差が生じていることが判明した。これを除去するため、ピッチを用いた平滑化ラッピングにより、20mm以下の周期形状誤差を振幅1nmまで減少させることができた。(2)についてはハレアカラT60望遠鏡に設置した可視補償光学装置を改良し、夜間3等級以上の明るさの対象に対して、2.1"(FWHM)の自然シーイング時に補償光学により0.45秒角(FWHM)に改善することが確認された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度に予定していた研究計画のうち、(1)PLANETS望遠鏡の開発の最重要課題である主鏡の研磨が完了していないため、引き続き作業を実施し、2024年6月に完了の見込みである。その他(2)との作業については計画通り進捗しているため、全体としてやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度までに整備した補償光学とコロナグラフと、ハワイ・ハレアカラ観測所の60cm望遠鏡を用いてエウロパ・エンケラドス等の噴出活動天体の観測研究を行う。T60に取り付けた場合、現在の補償光学の限界等級が4等級であり、5等級のエンケラドスに対して十分な保証が難しいため、補償光学の波面センサーの構成を見直すなどの改良を検討する。あわせてPLANETS望遠鏡の開発・整備を進め、本年度後半の設置を目指す。
|