研究課題/領域番号 |
22K03704
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
|
研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
和田 浩二 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 主席研究員 (10396856)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 小惑星 / ブラジルナッツ効果 / レゴリス層 |
研究開始時の研究の概要 |
「はやぶさ2」が探査した小惑星「リュウグウ」のような重力が極めて小さい小惑星においては,粒子間付着力は無視できず粒子の流動性が妨げられることが予想されるため,大きな粒子が表層に浮き上がるといういわゆる「ブラジルナッツ効果」が作用して表層が進化するかどうかは自明ではない.本研究課題では,離散要素法(粒子法)による数値実験を行い,粒子間付着力が卓越する粒子層において,ブラジルナッツ効果がどの程度作用するのか,粒子間付着力などのパラメータ依存性を明らかにし,小惑星表層進化理解に貢献する.
|
研究実績の概要 |
重力が極めて小さい小惑星においては,粒子間付着力は無視できず粒子の流動性が妨げられることが予想され,ブラジルナッツ効果が有効に作用するのかどうかは自明ではない.本研究課題では,離散要素法(粒子法)による数値実験を行い,粒子間付着力が卓越する粒子層において,ブラジルナッツ効果がどの程度作用するのか,粒子間付着力などのパラメータ依存性を明らかにし,小惑星表層進化理解に貢献することを目的としている. 2022年度は,はやぶさ2が探査した小惑星リュウグウの表面および深さ方向の粒子サイズ分布を推定することを行い,衝突体(SCI)による衝突で暴露された地下の粒子は表面のそれより比較的小さいことが分かった.このことは,ブラジルナッツ効果が作用していることの表れとも解釈できるが,形成当初からの分布を反映しているに過ぎないとも考えられ,本研究の重要性が増したものと考えられる.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目は当初数値シミュレーションの準備を行うことにしていたが,小惑星表層の粒径分布の調査に傾注することになった.次年度は数値シミュレーションを中心に進める.
|
今後の研究の推進方策 |
複数の大きさの粒子を直方体ボックスにランダムに3次元的に堆積させ,以降の振動計算に用いる粒子層を形成する.用意する粒子は,大多数(数万個)の小さい粒子(半径r)と数個の大きな粒子(半径R) とする.このように準備された粒子層において,粒子間付着力を導入せずに,地上重力下においてボックス底面を鉛直方向に振動させて,ブラジルナッツ効果が生じることを確認し,これまでのブラジルナッツ効果研究と比較し計算の妥当性を検証する.さらに粒子間付着力を導入し,本研究課題のメインである振動計算を行う.実際の振動計算を行うに当たっては,g = 1G で固定し,粒子間付着力や振動加速度を重力で規格化しそれをパラメータとして様々な値で振って計算することで,微小重力に対するふるまいを導く予定である.
|