研究課題/領域番号 |
22K03705
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
三澤 啓司 国立極地研究所, 先端研究推進系, 准教授 (70212230)
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研究分担者 |
新原 隆史 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (20733679)
可児 智美 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 助教 (60332863)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | カルシウム / 安定同位体 / ダブルスパイク / 火星隕石 |
研究開始時の研究の概要 |
火星隕石全岩試料のカルシウム安定同位体組成に基づいて、 (i) 火星表層水はアマゾニアン時代(<30億年) のいつ頃消失したのか、 (ii) 不適合元素に乏しいシャーゴッタイト隕石の形成域において、~20億年間に表層環境がどのように変化したのか、 (iii) 火星火山岩(シャーゴッタイト隕石) の多様性は、起源マントル由来の本質的なものなのか、あるいは表層水-地下(塩) 水と岩石の相互作用、深部流体の付加、地殻物質との同化作用などによる二次的なものなのか、 を明らかにして火星表層の環境変遷に制約を与える。
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研究実績の概要 |
火星隕石全岩試料のCa安定同位体組成に基づいて、(i) 火星表層水はアマゾニアン時代(<30億年) のいつ頃消失したのか、(ii) 不適合元素に乏しいシャーゴッタイト隕石の形成域において、およそ20億年間に表層環境がどのように変化したのか、(iii) 火星火山岩(シャーゴッタイト隕石) の多様性は、起源マントル由来の本質的なものなのか、あるいは表層水-地下 (塩) 水と岩石の相互作用、深部流体の付加、地殻物質との同化作用などによる二次的なものなのかを明らかにするために、42,43Caダブルスパイクの調製に着手した。まず、42Caおよび43Caスパイクを単独で調製し、その濃度を求めた。試料中のCaを精製するためのカラム分離法を検討して、化学収率をチェックした。熊本大学の質量分析計を用いて、Ca標準試料NIST SRM915aをズーム機能あり、なしで測定して、その有効性を検討した。火星隕石Zagami, NWA856, RBT04261, LAR12011, EETA79001 lith A, lith B, lithCおよびMIL090032についてSr安定同位体分析を行い、Zagami隕石の異なった岩相間で安定同位体変動を確認した。Ca安定同位体変動も期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Ca分離のためにBio-Rad社製ポリスチレンディスポーザブルトランスファーピペットを切断し、最下部にポリエチレンフリット、石英ウール、ポリエチレンフリットを詰め、その上にMitsubishi MCI GEL CHP-20P吸着剤を250 uL入れ、さらにEichrom DGA樹脂を250 uL入れてカラムとした。カラムの洗浄は、2 mL High-purity water (QW), 2 mL 4M HNO3, 2 mL QW, 1 mL 6M HCl, 2 mL QWで行い、1 mL 4M HNO3試料溶液をロードした後6.8 mL 4M HNO3にてマトリクス元素を洗い流し、3.5 mL QWにてCaを回収した。この操作を2回繰り返すことにより、マトリクスフリーのCaを得た。なおこのDGAカラム1回操作時のCaの収率は98.9%であったことから、カラム操作2回によるCaのロスは、きわめて少ない。
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今後の研究の推進方策 |
火星隕石Zagami, NWA856, RBT04261, LAR12011, EETA79001 lith A, lith B, lithCおよびMIL090032については、試料の分解が終わっており、Ca同位体分析に供することが出来る。研究期間中にCa同位体分析値が変動していないをモニターするために、D'Orbigny隕石のCa同位体組成を定期的に測定することが望ましく、そのための試料調製を急ぐべきである。天然のCa同位体測定と同位体希釈分析によるCaの定量については、すぐに着手する。
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