研究課題/領域番号 |
22K03733
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
池端 慶 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (70622017)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 自然銅 |
研究開始時の研究の概要 |
地球上で銅は、一般的に硫黄や酸素との化合物として存在している。しかし、蛇紋岩中には、単体の銅(自然銅)が産出することがあるが、その化学的特徴や成因は未だ良く分かっていない。自然銅に含まれる銅や亜鉛の安定同位体比は、形成時の温度や酸化還元状態等、自然銅の成因の解明に大変有効な指標である。本研究では、蛇紋岩中の自然銅に含まれる銅や亜鉛の安定同位体比を高精度で測定し、これら自然銅の形成機構を探る。
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研究実績の概要 |
地球上で銅は、一般的に硫黄や酸素との化合物(黄銅鉱、赤銅鉱など)として存在している。しかし、蛇紋岩中には、単体の銅(自然銅)が産出することがあるが、その地球化学的特徴や成因は未だ良く分かっていない。自然銅に含まれる銅や亜鉛の安定同位体比は、形成時の温度や酸化還元状態など、自然銅の成因の解明に大変有効な指標である。本研究では、蛇紋岩中の自然銅に含まれる銅や亜鉛の安定同位体比を高精度で測定し、これら自然銅の形成機構を明らかにすることを目的とする。本年度は、いくつかの蛇紋岩体の地質調査を行い、自然銅を含む可能性がある試料を採集することができた。肉眼では確認できないミクロンレベルの微細な自然銅や関連鉱物の種類、形態学的特徴などを実体顕微鏡、反射金属顕微鏡、顕微ラマン分光装置などを使用して確認することができた。自然銅が含まれていた蛇紋岩試料は限られており、予察的結果であるが、自然銅や他の共生鉱物は、初生鉱物と考えれる含銅鉱物と密接に関係していることが明らかとなった。初生鉱物と考えれる含銅鉱物には、その周囲に自然銅が産出しない場合もあり、これらの試料は自然銅の形成過程を考える上で重要である。 その他に、本年度導入したミクロ切削装置の切削条件や使用器具からの各種金属元素の混入(コンタミネーション)の検討を、本研究対象の鉱物と同じ種類の鉱物スタンダードなどを使用して実施し、銅や亜鉛に関して、本研究の同位体分析に支障がないことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、少量ではあるが、微細な自然銅を産出する蛇紋岩を採集し、自然銅や自然銅に関連する各種銅鉱物・脈石鉱物などの基本的な岩石・鉱物学的記載を行い、それらの特徴について把握することができた。また、本年度導入したミクロ切削装置の各試料に対する最適な切削条件の選定を行うことができた。さらに、次年度から行う計画の、銅や亜鉛の同位体分析時に問題となる前処理過程で使用する器具からの各種金属元素のコンタミネーションの影響を評価することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、本年度に記載を行った蛇紋岩試料に加え、他の地域の蛇紋岩に産する自然銅試料の採集とそれらの岩石・鉱物学的記載を実施する。また、産出を確認した様々な銅鉱物に対する主要・微量元素組成分析とそれらに対する高精度銅・亜鉛同位体組成分析法を確立するために、事前に標準試料などを使用して、分析条件の検討を十分に行い、分析精度と分析確度とを把握する予定である。その後、高精度銅・亜鉛同位体組成分析法を記載が終了した試料に適応する計画である。
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