研究課題/領域番号 |
22K03738
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
堂満 華子 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (70397206)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 完新世 / 琵琶湖 / 貝殻 / 成長線 / 酸素同位体比 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者と研究協力者からなる研究チームは,完新世(過去約1万年間)の陸域の環境変動を定量的かつ高時間解像度で復元するため,淡水産二枚貝の殻の化学組成を用いた湖沼古水温換算式を開発した。本研究では,開発した換算式を環びわ湖域の考古遺跡から出土する貝殻に適用し,完新世のさまざまな気候状態における琵琶湖表層水温を年単位・季節単位で定量的に復元することにより,当時の内陸部の気温変動の推定を試みる。
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研究実績の概要 |
近い将来起こる気温上昇が人々の生活の場である陸域環境に及ぼす影響を具体的に評価するうえで,現在よりも年平均気温が1~2℃ほど高かったとされる完新世の気候最適期における陸域の環境変動を定量的かつ高解像度に復元することは重要である.本研究では,研究代表者と研究協力者からなる研究チームによって開発された琵琶湖産二枚貝セタシジミの殻の化学組成を用いた湖沼古水温換算式を環びわ湖域の考古遺跡から出土する貝類に適用し,完新世のさまざまな時間面における琵琶湖表層水温の季節変動を定量的に復元することにより,当時の内陸部の気温変動の推定を試みる. 貝殻断面に見られる成長線はその個体が生息していた当時の環境情報を記録しているが,セタシジミを対象とした成長線解析の研究例は乏しい.このため2023年度は,セタシジミの貝殻の成長線の観察・解析方法の確立に向けたMutvei溶液染色法の検討を重点的におこなった.その結果,セタシジミの殻の成長線をMutvei溶液で染色する際,溶液の最適温度が37~40℃で,最適な染色時間が18~20分であることを特定した.また,適切な温度と時間で染色することで,微細成長線を確認することが可能となった.これにより,セタシジミの殻の成長線からより高解像度の環境情報を抽出できる可能性が高まった. このほか,画像処理ソフトウェア(ImageJやPhotoshop等)を用いた成長線解析の検討や,琵琶湖湖底の縄文貝塚に関する文献資料の収集・整理を実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
環びわ湖域の考古遺跡に関する文献資料の収集・整理作業に当たる補助員ならびに飼育実験に当たる補助員として適任者が見つからなかったため,当初の予想よりも時間を要している.現在も進めているところであり,全体の計画には大きく影響しないと見込んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って,環びわ湖域の考古遺跡に関する各種報告書・論文等の文献や博物館収蔵試料の選定にもとづき,遺跡ならびに出土する貝殻等の試料について年代が未確定のものを対象に放射性炭素年代測定を実施し,研究目的に最適な貝類遺体の選定をおこなう予定である.また,セタシジミ個体の成長縞に記録される環境情報とその解像度の解析を実施する予定である. 最終年度までには,貝塚から産出するセタシジミを主とする貝殻の試料採取や保存状態等の検討を進め,成長線解析と安定酸素炭素同位体比分析にもとづく琵琶湖古水温の年変動・季節変動の定量的復元を試みる予定である.
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