研究課題/領域番号 |
22K03741
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
越川 昌美 (金尾昌美) 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 主幹研究員 (80291045)
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研究分担者 |
渡邊 未来 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 主任研究員 (50455250)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ストロンチウム同位体比 / セシウム同位体比 / 土壌抽出 / 交換性カチオン / 森林土壌 / ストロンチウム同位体 / セシウム同位体 |
研究開始時の研究の概要 |
土壌中の陽イオンは、土壌粒子の表面に吸着して水に溶けやすく植物に吸収されやすい形態と、土壌粒子に強く結合して容易に水に溶けない形態で存在する。前者は交換性カチオンと呼ばれ、日本では pH 7 に調整した 1 Mの酢酸アンモニウム溶液で土壌を1時間程度抽出する方法で分析されているが、これは中性で均質な農地土壌への適用がもとになっているため、酸性で不均質な森林土壌については最適化が必要である。 本研究では、森林土壌の抽出条件に応じて起源や存在部位の異なる陽イオンが抽出される様子を、ストロンチウムやセシウムの同位体比を使って解析することにより、森林土壌に最適な交換性カチオン抽出法を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究では、森林土壌の抽出条件に応じて起源や存在部位の異なる陽イオンが抽出される様子を、ストロンチウムやセシウムの同位体比を使って解析することにより、森林土壌に最適な交換性カチオン抽出法を提案する。 2022年度は、土壌の酢酸アンモニウム抽出液のストロンチウム同位体比(87Sr/86Sr)を分析する条件を検討した。土壌抽出は、固液比1:25、振とう時間 30 分で行った。抽出液をろ過および乾固した後、3 モル濃度の硝酸に溶解してからストロンチウム捕集カラム(Sr specカラム)で分離し、ストロンチウム同位体比を測定した。抽出後のろ過に用いるメンブランフィルターの孔径は、1)0.45 マイクロメートル、2)0.2 マイクロメートル、を比較した。他の項目を比較する際には、1)0.45 マイクロメートルでろ過を行った。抽出液の乾固方法として、3)抽出液 2 mlにフッ化水素酸 0.1 mlを加えて乾固した後、過酸化水素水1 mlを加えて 2 時間加温したのち乾固、4)抽出液 2 mlを0.1 ml程度まで濃縮した後、過酸化水素水 1 mlを加えて 2 時間加温したのち乾固し、その後、フッ化水素酸 0.1 mlを加えて乾固、の2 通りを行った。他の項目を比較する際には、3)フッ化水素を先に添加する手順で乾固を行った。Sr同位体比測定は、5)表面電離型質量分析装置、6)マルチコレクター誘導結合プラズマ質量分析計で行った。他の項目を比較する際には、5)表面電離型質量分析装置で分析した。1)と2)、3)と4)、5)と6)の結果を比較したところ、有意な差は認められなかった。作業の容易さを考慮して、1)、3)、5)を組み合わせて今後の分析を行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
土壌抽出液の分析条件の検討は進んだが、抽出条件を変える実験の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、母岩および火山灰の混入程度が異なる森林土壌を採取し、各種抽出法による溶出液の87Sr/86Sr比を分析する。また、原発事故由来137Csが検出される試料については137Cs/133Cs比も分析する。今後は、土壌抽出条件を変えた場合のSr同位体比およびCs同位体比の変化を調べる。具体的には、1M 酢酸アンモニウム水溶液を抽出液として、抽出液のpH、抽出時間、固液比を変化させる。実験により得られた87Sr/86Sr比から起源、137Cs/133Cs比から吸着場所を推定することで、従来の母岩起源で溶解・脱離しにくいカチオンまで抽出される条件と、火山灰起源で溶解しやすく土壌に弱く結合しているカチオン(一般に交換性カチオンと想定されている形態)だけが抽出される条件の境界を明らかにする。この後者が、植物が吸収できる移動性画分という意味において、森林土壌の交換性カチオンの分析条件として最適であると考えられる。
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