研究課題/領域番号 |
22K03751
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
八木 勇治 筑波大学, 生命環境系, 教授 (50370713)
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研究分担者 |
深畑 幸俊 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10313206)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 震源過程 / インバージョン |
研究開始時の研究の概要 |
地震の破壊過程がどのくらい複雑で多様性に富んでいるのかは地震学における基本的な命題の一つである。我々はポテンシーテンソルインバージョンという新たな逆解析法を開発した。同手法により、複雑な断層面上での破壊過程を適当な平面上に投影した形で安定に推定できるようになった一方、モデルの自由度を上げたことに起因して、得られるインバージョン結果が不明瞭になるという問題も生じている。本研究では、上述の命題に答えるために、まずポテンシーテンソルインバージョンの更なる高度化を図り、その上で同手法を全世界で発生している多くの大地震に適用することで、多様な震源過程の実像を明らかにする。
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研究実績の概要 |
ポテンシー密度テンソルインバージョンの登場により、複雑な震源過程を有する地震の解析を安定に行うことが可能になっただけではなく、断層情報を遠地実体波P波から抽出することが可能となった。ポテンシー密度テンソルインバージョンは従来の有限断層インバージョンより自由度が2.5倍になった。自由度が増加したが故に、安定した解を得るために、より強いスムージングが必要となり、得られる地震像はぼやけてしまうという問題があった。本研究課題では、この問題を遠地実体波P波の性質を利用する"time-adaptive smoothing constraint"を用いることによって解決することを目標としている。 本年度は新たな拘束条件を定式化し、その効果をまず数値実験で検証した。複数の異なる断層形状を持つ断層破壊を設定し、新たな拘束条件の効果を検証したところ、従来の拘束条件では、すべり量が大きくなる時間帯でオーバースムージングが発生する一方で、当たらな拘束条件ではその問題が解決されることを確認した。 さらに、実地震(2002年アラスカ地震、2008年四川地震)に適用して、新手法が適切に作動するか検証したところ、適切に作動し、安定かつ詳細な震源過程を推定することが可能であることを確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初目的であった新しい解析手法の開発に成功し、数値実験と実地震への適用によってその有用性を示すことに成功し、その成果を国際雑誌に掲載することができたら。
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今後の研究の推進方策 |
新たに開発した解析手法をさらに高度化できるか検討を行う。また、新しい解析手法を多くの地震に適用して、多様な震源過程の実像を明らかにする。
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