研究課題/領域番号 |
22K03755
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
石橋 秀巳 静岡大学, 理学部, 准教授 (70456854)
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研究分担者 |
奥村 聡 東北大学, 理学研究科, 准教授 (40532213)
安田 敦 東京大学, 地震研究所, 准教授 (70222354)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 苦鉄質マグマ / 噴火様式 / マイクロライト / 脱ガス / 結晶作用 / レオロジー / 火道浅部 / 石基 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,火道浅部において苦鉄質マグマがどのように結晶作用を進行し,それが噴火ダイナミクスにどのような影響を及ぼすかを明らかにすることを目的とする。本研究では,天然の苦鉄質爆発的噴火のスコリアの石基組織解析と,10MPa以下の微高圧・H2O飽和条件下における苦鉄質マグマの溶融・結晶化実験を両輪として進め,両者の結果の比較から,噴火時に火道浅部でおこっている結晶作用と破砕のプロセスを検討する。これを,噴火の規模や様式の異なる複数の噴出物について実施し,その結果を比較することで,火道浅部での結晶作用プロセスと噴火ダイナミクスの関係を明らかにする。
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研究実績の概要 |
何故、脱ガスしやすいはずの苦鉄質マグマが激しい爆発的噴火をおこすのか?そのメカニズムを解明することが本研究の目的である。近年の研究より,苦鉄質マグマの破砕メカニズムに,液体のまま流体力学に破砕する慣性破砕と,石基結晶作用に伴うレオロジー遷移によって液体的から固体的に挙動を変化させることで破砕する脆性破砕である。これまでの我々の研究により,苦鉄質(準)プリニー式噴火の噴出物では多くの場合,石基結晶量に幅広い変動が認められ,同一の噴火においても慣性破砕したマグマと脆性破砕したマグマが同時に噴出している可能性が示唆された。そこで本研究課題では,天然噴出物の分析と実験を組み合わせ,苦鉄質マグマの爆発的噴火の噴出物に含まれる石基鉱物の形成履歴の解明を試みる,これにより,苦鉄質爆発的噴火の火道浅部過程とその発生メカニズムに関する理解を進められると期待できる。 3カ年の研究期間の初年度にあたる2022年度では,まず,研究試料となるスコリアの収集を行った。伊豆大島1986年B火口の準プリニー式噴火については,遠方に堆積した3層の火山灰を提供いただけた。また,新たに2020年7月の西ノ島バイオレントストロンボリ式噴火の火山灰を気象庁より提供いただけた。これらの試料について,石基の鉱物組織解析とガラス化学分析を進めている。現時点の成果として,伊豆大島1986年B噴火については,3層の火山灰の間で石基ガラスの組成に差異が認められ,噴火推移とともに火道浅部過程が変化した可能性が示唆された。一方で西ノ島の試料については,マイクロライトだけでなくナノライトの結晶作用も進行しており,石基組織のバリエーションが非常に大きいことが明らかとなってきた。また,ひとつの火山灰中に異なる石基組織の部分が共存するものが多数みつかった。今後,これらの結晶組織の形成過程を検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、研究対象となる苦鉄質爆発的噴火の火砕物を収集し、その記載を行う計画であったが,伊豆大島1986年B噴火と、西ノ島2020年7月バイオレントストロンボリ式噴火の火山灰試料を提供いただき、その石基組織解析・化学分析に取り掛かることができた。この点で、研究はおおむね順調に進展しているといえるだろう。
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今後の研究の推進方策 |
伊豆大島1986年B(準プリニー式)噴火の3層の火山灰と、西ノ島2020年7月バイオレントストロンボリ式噴火の火山灰について石基組織解析・化学分析を進め、両タイプの噴出物の特徴を比較していく。特に、苦鉄質マグマの破砕メカニズムを検討するうえで重要となる石基結晶量について注目し、両タイプの噴火を引き起こす破砕メカニズムに違いがあるのかを検討していきたいと考えている。加えて、火道浅部に相当する圧力条件での高温結晶化実験についても準備を進めていく。
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