研究課題/領域番号 |
22K03757
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
光井 能麻 名古屋大学, 減災連携研究センター, 博士研究員 (20435837)
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研究分担者 |
板場 智史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (90589285)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | スロースリップ / 歪 / 南海トラフ / ボアホール歪計 / ゆっくりすべり / 法線応力 |
研究開始時の研究の概要 |
南海トラフなどの沈み込み帯で生じる巨大地震の発生メカニズムを解明するには、地震間にプレート境界の岩石が長期間かけて変形・流動して地震発生場を形成する様子を理解する必要がある。岩石の摩擦実験では、摩擦「面」でのすべりだけではなく、摩擦「層」の変形・流動により、境界面に対して法線方向にも変形する様子も観察されているが、プレート境界の変形について同様の検討はなされていない。そこで本研究は、プレート境界がゆっくりと変位するスロースリップイベント(SSE)の発生時におけるプレート境界層の変形量を推定し、発生域のプレート形状と比較する。これにより、プレート境界の変形様式を見直し、メカニズム解明につなげる。
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研究実績の概要 |
本研究は、岩石の摩擦実験ならびに露頭調査において観察されている摩擦「層」の変形・流動に伴う法線方向への変形が、プレート境界でも生じている可能性を観測データをもとに議論するため、プレート境界がゆっくりと変位するスロースリップイベント(SSE)、特に、ボアホール歪計で検出される短期的スロースリップイベント(S-SSE)を対象にプレート境界層の変形量を推定する。 本年度は、昨年度開発した手法を用いて、東海地域で発生したS-SSEの再解析を試みた。本手法では、S-SSE発生時に想定されるプレート境界層のすべり及び法線方向への変形を推定するため、従来モデル(変形成分を断層すべりのみと仮定したモデル)に断層の法線方向への変位(伸張または圧縮)を加えて、S-SSE発生源の変位2成分を推定する。変位2成分(断層すべりと法線方向の変位)の違いは、歪変化の空間分布の違いに現れるため、使用する歪データの観測点は、S-SSEの発生源を取り囲むように配置されていることが望ましい。そのため、従来の観測点に加えて新たに使用する観測点候補4点のデータを解析した。その結果、手法開発時に用いた観測点1点以外の観測点は、データの精度が低い、またはS-SSEに伴う十分な歪変化が観測されていないなどの理由により、歪変化をS-SSE発生源のモデル推定に用いることが難しいことが確認された。なお、複数回打ち合わせを実施し、進捗状況ならびに来年度の進め方について議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当該年度における研究代表者の業務内容変更により、当初の予定よりも本研究課題に充てられるエフォートが下がり、当初の計画通りに研究を実施することが困難となったため。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度開発した手法を用いて、東海地域で発生した複数のS-SSEを再解析し、共通する変形様式を知る。S-SSE発生源のすべりと法線方向の変位(伸張または圧縮)を推定し、共通する変形様式(例えば、法線方向への変形が伸張または圧縮のどちらかに卓越しているなどの特徴があるか)を確認する。また、近畿・四国地域で発生したS-SSEについても、東海地域における解析の進展状況に応じて解析に着手する。 なお、本研究の推進にあたり、研究代表者および研究分担者の役割分担を見直すとともに、当該研究分野の最新の状況を考慮して、解析対象となるS-SSEの絞り込みを行い、進捗状況の改善を図る。
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