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スパースモデリングに基づく地殻変形場の推定

研究課題

研究課題/領域番号 22K03759
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分17040:固体地球科学関連
研究機関京都大学

研究代表者

深畑 幸俊  京都大学, 防災研究所, 教授 (10313206)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワードスパースモデリング / 歪み速度場 / 活断層 / GNSSデータ / GNSS / インバージョン解析
研究開始時の研究の概要

日本列島などの変動帯では、活発な地殻の変形が生じている。地殻の変形は、原則として空間的に連続である一方、活断層周辺等に局在するという性質も併せ持つ。本研究では、これまで課されてきた平滑性に加えて,スパース性を先験条件として新たに導入することで,活断層等に基づくブロック境界をあらかじめ仮定することなく、地殻変形場の連続性と局在性を同時に表現可能な推定手法を開発する。

研究実績の概要

日本列島などの変動帯では、活発な地殻の変形が生じている。地殻の変形は、原則として空間的に連続である一方、活断層周辺等に局在するという性質も併せ持つ。これまでGNSSデータから地殻の変形を推定する多くの研究がなされてきたが、平滑性など変形の連続性を強く仮定するか、或いはあらかじめ設定したブロック境界に変形を押し付ける方法が一般的であった。本研究では、この問題に新たにスパースモデリングを導入することにより、活断層等に基づくブロック境界をあらかじめ仮定することなく、地殻変形場の連続性と局在性を同時に表現可能な推定手法の開発を目指している。評価関数は,残差二乗和,スパース条件を表すL1ノルム,平滑化条件を表すL2ノルムの和として表され,初項に対する第2項および第3項の重みが超パラメタとなっている.
まずは簡単のため,1次元で定式化を行い,横ずれ断層での定常滑りに伴う変形に対して数値実験を行い,提案手法の妥当性を検証した. ここで,ABICのような簡便な評価法がないため,各条件の重みは1個抜き交差検証法を用いて決めたが,Sato et al. (2022 GJI)で示したように,評価関数のglobal minimumが必ずしも最適解を与えるとは限らないという問題がある.そこで,周辺の値も含めた平均値を計算し,その平均値が最も小さくなる解を最適解として選ぶという工夫を行った.その条件下で,有馬高槻断層帯周辺のGNSS観測データに提案手法を適用したところ,断層帯近傍で L2 正則化と比べて20ー30%ほど大きな歪み速度の局在が推定された.断層の固着深度も見積もったところ,L2正則化では17 kmのところ,本手法では11 kmとなった.この地域の地震分布の下限(D90)が12 - 14 kmなので,それとより整合な結果が得られることとなった.本研究成果は近くEPS誌に投稿予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

まだ1次元に対してではあるが,数値実験に加えて実データ解析でpositiveな結果が得られ,論文の投稿まであと一歩のところまで辿り着いた.歪み速度場推定におけるスパースモデリングの適用は恐らく世界初の試みであり,1次元とはいえ重要な成果が得られたと考えている.

今後の研究の推進方策

今後は2次元の場合に,手法を拡張する.1次元の場合の論文執筆と平行して,これまでも2次元の場合の定式化と予備的な計算を進めているが,2次元では,変位が2成分である一方歪みは3成分となること,計算量が多いため1個抜き交差検証法で超パラメタを定めることが困難,などの難しさがあることが分かった.どこにそれらの問題の根幹があるのかを調べて,突破口を探っていく.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 歪み速度場推定の新手法の開発:測地インバージョンへのスパースモデリングの適用2024

    • 著者名/発表者名
      野末陽平・深畑幸俊
    • 学会等名
      世界の沈み込み帯におけるSlowとFastの破壊現象の実像に関する研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Estimation of a Strain-rate Field from Geodetic Data Using a Sparse Modeling2023

    • 著者名/発表者名
      野末陽平・深畑幸俊
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2023年大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Development of a New Estimation Method of a Strain-rate Field : Application of a Sparse Modeling to Geodetic Data Inversion2023

    • 著者名/発表者名
      Y. Nozue, Y. Fukahata
    • 学会等名
      6th Japan-Taiwan Workshop on Crustal Dynamics
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Strain-rate field of Japan estimated from GNSS data using basis function expansion with ABIC2023

    • 著者名/発表者名
      Y. Fukahata, T. Okazaki, T. Nishimura
    • 学会等名
      IUGG 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 歪み速度場推定の新手法の開発:スパースモデリングの適用2023

    • 著者名/発表者名
      野末陽平・深畑幸俊
    • 学会等名
      日本測地学会第138回講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Development of a new estimation method of a strain-rate field: Application of a sparse modeling to geodetic data inversion2023

    • 著者名/発表者名
      Y. Nozue, Y. Fukahata
    • 学会等名
      20th Wegener Assembly
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] スパースモデリングを用いた測地データの解析による歪み速度場の推定2023

    • 著者名/発表者名
      野末陽平,深畑幸俊
    • 学会等名
      令和4年度京都大学防災研究所研究発表講演会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] GNSSデータから推定した歪み速度の局在性と基底関数間隔との関係2022

    • 著者名/発表者名
      野末陽平,深畑幸俊
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2022年大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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