研究課題/領域番号 |
22K03784
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
山崎 雅 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (30760235)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 粘弾性緩和 / マグマ供給 / 応力蓄積 / 緩和時間 / 地殻変動シミュレーション / 粘弾性モデル / 巨大噴火準備過程 |
研究開始時の研究の概要 |
甚大な災害をもたらしうる火山噴火活動の源は、地下で岩石が溶けたマグマである。しかし、そのマグマを大きく溜め込んでいるのに噴火活動が不活発な火山もあれば、マグマを大きく溜め込んでもいないのに活発な噴火活動をみせる火山があるのはナゼなのだろうか?本研究は、粘弾性地殻変動シミュレーションモデルを使って、マグマ供給による応力蓄積と地温が高い火山で顕著にあらわれる応力緩和(粘性流動)に支配されたマグマ溜まり周辺の応力状態を予測し、噴火しないでマグマを溜められる理由と噴火してしまいマグマを溜められない理由を明らかにすることで、大きくマグマを溜め込んだ火山で生じうる巨大噴火の準備過程を解明していく。
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研究実績の概要 |
本研究は、マグマを大きく溜め込んでいるのに噴火活動が不活発な火山もあれば、マグマを大きく溜め込んでもいないのに活発な噴火活動をみせる火山があることの理由に説明を与えようとしている。粘弾性地殻変動シミュレーションモデルを用いて、マグマ溜まり周辺の応力状態を予測し、「応力緩和が卓越して火道が収縮するモード」と「応力蓄積が卓越して火道が拡張するモード」を支配するパラメータを明らかにしていく。2022年度は、当初の計画通り、実際の地殻岩石が持ちうる粘性流動特性の範囲において、応力緩和が卓越して火道が収縮するマグマ供給速度と、応力蓄積が卓越して火道が拡張するマグマ供給速度について解析した。その結果、マグマ溜まりが地殻内のどの深さで定置して発達するのかに依って、応力緩和の程度が違ってくることを確認した。深さ依存性を持つ地殻内粘性構造における上層は、温度が低いため、応力緩和が進まない弾性層として振る舞うが、マグマ蓄積がそのような有効弾性層内の浅いところで発達すると、マグマ蓄積による応力を有意に緩和させることができない。一方、有効弾性層下においてマグマの蓄積が進行すると、応力緩和は有意に進行し、有効弾性層内でのマグマ蓄積に比べて、応力蓄積量を減じさせることができる。しかし、マグマ蓄積が一定のレートで進行するような場合、たとえ粘弾性緩和により応力蓄積量が減じられたとしても、ゆっくりとはいえ応力の蓄積は進行することになるため、火道収縮モードが卓越するにはマグマ蓄積がある程度以上の期間停止する必要がある。その停止期間の下限の目安は、地殻が持つ有効緩和時間の10%程度であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画について取り組み、今後の研究の礎となる重要な知見を得ることができた。事象を支配するパラメータを系統的に整理することは十分にできなかったが、来年度計画に掲げる地殻変動観測から応力状態を推定することに取り組みはじめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究においては、支配パラメータへの依存性をより詳細に解析しつつ、地殻変動の実測から推定された粘弾性構造にもとづいて、火山(姶良カルデラ・屈斜路カルデラ)下における応力状態の定量的な把握をすすめていく。また、火道の収縮・拡張モードの境界についてもより詳細に明らかにしていく必要がある。
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