研究課題/領域番号 |
22K03800
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
真鍋 真 独立行政法人国立科学博物館, 標本資料センター, コレクションディレクター (90271494)
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研究分担者 |
平田 岳史 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (10251612)
田中 康平 筑波大学, 生命環境系, 助教 (50841970)
對比地 孝亘 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, 研究主幹 (70597343)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 白亜紀後期 / 爬虫類・鳥類化石 / 卵殻化石 / 植物化石 / 南アメリカ大陸 / アルゼンチン / チョリーヨ層 / 年代測定 / 大量絶滅 / K/Pg境界 / 恐竜 / 多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
中生代末(K/Pg境界)の第5回目の大量絶滅は、現在のメキシコに約6600万年前の隕石衝突に伴う急激な環境変化が主因だったと考えられている。北米では、隕石衝突以前から一部の恐竜の多様性が低下し始めていたものの、角竜類が著しく多様化したことで、恐竜の多様性が高く維持されていた可能性がある。本研究は、角竜類が分布しなかった南米のデータを明らかにし、隕石衝突の影響を北米と比較するために、アルゼンチンの卵殻化石や遊離した脊椎動物化石の分類学的研究、化石含有層準の絶対年代の特定などの研究を行う。
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研究実績の概要 |
對比地は2月9日から3月2日までアルゼンチンに渡航し、上部白亜系チョリーヨ層の調査をアルゼンチン国立自然科学博物館と共同で行った。成果として、ティタノサウルス類竜脚類の尾椎および鳥脚類の骨盤周辺の骨格を発掘した。また、年代測定用の砂岩およびタフ層の試料、および古気温推定用のカルクリートの試料を採取した。田中は2020年3月に採集された卵殻化石の分類を行い、竜脚類のものと考えられる卵殻を同定することが出来た。平田はこれまでよりも微小なジルコンの年代測定をするために、測定機器にレーザービームを絞れる光学系を取り付けるなどの改良を行った。真鍋と對比地は、鳥類、単孔類哺乳類、植物化石に関する3編の論文を投稿し、3編が出版された。カモノハシやハリモグラなどの単孔類は現在はオーストラリアと周辺の島にしか生息しないが、化石は南極大陸や南アメリカ大陸からも報告がある。これまで中生代にオーストラリアで進化した単孔類が新生代に南極大陸、南アメリカ大陸に進出したと考えられていた。アルゼンチンの白亜紀後期から本報告の化石が確認されたことから、その起源や初期進化の場がオーストラリアに限定されない可能性が出てきた。本論文の出版費用の一部を本研究費から支出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では對比地、田中、真鍋の3名がアルゼンチンで現地調査を実施する予定だったが、昨今の国際情勢の変化、為替相場の変化によって、アルゼンチンのへの渡航費用が高騰してしまった。今年度については、對比地1名だけをアルゼンチンに派遣することで、現地調査を実現することが出来た。次年度以降も諸状況を注視しながら、柔軟に対応していきたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年2月のチョリーヨ層の現地調査で採集された化石標本、年代測定用の試料の研究を進めるとともに、2024年2月には現地調査を実施する予定である。当初計画よりも渡航費用が高騰したままである場合は、日本からの派遣者数を減らすことで調整したいと考えている。
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