研究課題/領域番号 |
22K03803
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山田 悟史 北海道大学, 工学研究院, 助教 (90730169)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | バイオメカニクス / 骨 / 海綿骨 / 強度特性 / 構造特性 / 力学試験 / 4次元CT / 骨組織 / 強度 / 骨梁 / 剛性 / 破壊 |
研究開始時の研究の概要 |
骨折や骨疾患の正確な診断と適切な治療の選択には、海綿骨の強度を含む圧縮破壊特性の正確な予測と制御が重要であり、その力学的発現機序を解明することが必要である。海綿骨は、骨梁と呼ばれる針状の骨が3次元網目状に配列した骨梁ネットワーク構造を有し、骨梁は主にコラーゲン線維とハイドロキシアパタイト結晶で構成される。そこで本研究では、海綿骨の強度を含む圧縮破壊特性の力学的発現機序を解明するため、海綿骨のマルチスケール構造に起因すると仮定し、これらの相互作用を4次元CT観察およびマルチスケール力学・構造計測により実験的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
骨折や骨疾患の正確な診断と適切な治療には、海綿骨の強度と圧縮破壊挙動の正確な予測と制御が重要であり、その発現機序の解明が重要である。本研究は、海綿骨の強度を含む圧縮破壊特性の発現機序解明のため、海綿骨のマルチスケール構造に起因すると仮定し、これらの相互作用を4次元CT観察およびマルチスケール力学・構造計測により実験的に明らかにする。そのため、以下に取り組む。(1)4次元CT観察と骨梁ネットワーク構造解析の手法開発により、圧縮破壊特性に関わる骨梁と骨梁ネットワーク構造の構造的特性を解明、(2)骨梁の片持梁曲げ試験により骨梁力学特性と海綿骨圧縮破壊特性の関係を解明、X線回折・小角散乱計測によりこれらに及ぼす分子・結晶構造の寄与を解明、(3)以上により海綿骨の圧縮破壊特性の発現機序を解明する。3ヵ年計画のうち2年度目の今年度は、以下の成果を得た。(1)初年度に開発したlab-scaleのX線源を用いた高速・高分解能マイクロCT装置による海綿骨の4次元CT観察手法により、ウシ大腿骨より採取した海綿骨立方体試験片の圧縮破壊挙動を計測した。その結果、巨視的な応力-ひずみ関係と骨梁の破壊挙動との対応を得た。海綿骨の巨視的な応力状態が骨梁の荷重伝達状態に依存することを明らかにした。また、巨視的な応力-ひずみ関係と骨梁ネットワーク構造の構造的特性の関係を実験的に整理した。(2)骨梁の弾性率および動的破壊強度を評価する手法を開発・改良した。低下した骨梁弾性率を精密に評価するため、既存の試験装置における問題点を整理し、機構を見直した新規装置を開発した。また、動的破壊強度を精密に評価するため、Izod法の原理を用いた骨梁に特化した振り子式破壊試験方法を提案し、試作装置の問題点を解決した試験装置を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初研究計画では、2年度目の今年度は、(1)4次元CT観察と骨梁ネットワーク構造解析により海綿骨の圧縮破壊特性に及ぼす海綿骨構造の寄与を調査し、(2)骨梁力学計測システムにより単一の骨梁の弾性率・降伏応力を解明することを計画していた。研究実績の概要に記載の通り、(1)初年度に開発した海綿骨4次元CT観察手法により、ウシ大腿骨より採取した海綿骨立方体試験片の圧縮破壊挙動を計測し、巨視的な応力-ひずみ関係に対する骨梁の荷重伝達状態の寄与を明らかにできた。また、巨視的な応力-ひずみ関係と骨梁ネットワーク構造の構造的特性の関係を得ることができた。(2)骨梁力学特性と海綿骨圧縮破壊特性の関係を解明するため、単一骨梁の弾性率や動的破壊強度に着目し、骨疾患等により力学機能が低下した試験片を精密に計測できるようこれらの計測手法の課題を整理し、試験装置を開発した。以上より、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、海綿骨の強度を含む圧縮破壊特性の発現機序解明のため、海綿骨のマルチスケール構造に起因すると仮定し、これらの相互作用を4次元CT観察およびマルチスケール力学・構造計測により実験的に明らかにすることを目的とした。当初研究計画の通り、残りの補助事業期間を通して引き続き以下に取り組む。(1)これまでに得られた4次元CT観察と骨梁ネットワーク構造解析の結果を統合し、圧縮破壊特性に関わる骨梁と骨梁ネットワーク構造の構造的特性を整理する。また、ウシ海綿骨の年齢や部位による影響を整理する。(2)これまでに開発した単一骨梁の静的・動的力学計測装置を用いて、単一骨梁の力学特性と海綿骨圧縮破壊特性の関係を整理する。また、骨梁組織内の分子・結晶構造の寄与について整理する。(3)得られた海綿骨のマルチスケール力学・構造特性の相互作用を整理する。以上により、海綿骨の4次元CT観察とマルチスケール力学・構造計測に基づき、海綿骨圧縮破壊特性の力学的発現機序を明らかにする。
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