研究課題/領域番号 |
22K03807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
旭吉 雅健 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (30342489)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 多軸 / クリープ / 疲労 / 寿命評価 |
研究開始時の研究の概要 |
脱炭素社会の実現と電力の安定供給のために,既存の火力発電プラントの運用形態は,起動と停止の頻繁な繰返し型に移行する。それらの高温構造機器の健全性を保証するためには,荷重の一定負荷と繰返し負荷が重畳された運用状態での寿命評価式開発が不可欠である。さらに,材料損傷の定量評価と寿命評価式の高精度化のためには,実機から採取した微小素材を使用することが有効である。 本研究課題で,実機から採取したミニチュア試験片を用いた検証実験を行うとともに,高精度な寿命評価式を開発する。
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研究実績の概要 |
脱炭素社会の実現や熱機関の高効率化のために,火力発電プラント等の高温機器では,さらに高温高圧の環境下で短周期での稼働と停止の繰返しが要求される。実機では,複雑な応力状態で,繰返し回数依存型の疲労損傷と,負荷時間依存型のクリープ損傷が重畳されることから,高温機器の安全設計や経年劣化対策のためには,構造材料の高温多軸クリープ疲労損傷を精度良く評価する手法が不可欠である。本研究課題では,実機でのすべての応力状態を模擬するために,ミニチュア十字型試験片を用いた多軸クリープ疲労試験手法を提案して,高精度な寿命評価式を開発することを目的とする。 上述した課題の解決のために,ミニチュア十字型試験片での多軸クリープ疲労試験の基礎技術を確立した上で,高精度な寿命評価式を開発するが,試験規格等が存在しないことから,具体的な課題を設定して,それらを順次解決して遂行している。 初年度は,100 mmサイズ試験片の設計を達成した。具体的には,有限要素法解析および機械加工技術検討の両面を試行錯誤的に行うことで,一辺が95 mmの十字型試験片の形状寸法を決定した。十字型試験片用クリープ疲労試験機開発は,油圧アクチュエータの動作確認までを完了した。また試験プログラムによって直交する二つの荷重軸を任意に制御でき,それらの動作が同位相のin-phase試験および逆位相のout-of-phase試験の予備動作試験までを完了した。 室温での要素試験では,4 kNの軸荷重で試験片中央標点部に約500 μεの軸ひずみが発生することを確認した。この試験片を用いることで,損傷き裂は中央標点部で発生して,それ以外の荷重負荷腕部等からの異常破断等を防止できる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度は,100 mmサイズ試験片の設計および十字型クリープ疲労試験機の開発を計画していた。100 mmサイズ試験片については,試行錯誤的に有限要素法解析と機械加工技術検討を経て,中央標点部で応力集中を実現できる形状および寸法を決定した。中央標点部の板厚を薄くして球状くぼみを設けることで中央部での応力を高めることを可能とした。その一方で,十字型試験片では一般に,その二軸が交わる箇所の形状不連続部でも応力集中を生じる。適切な形状および寸法によって,形状不連続部の応力集中よりも中央標点部の応力を高めることができた。 十字型クリープ疲労試験機の開発は,油圧アクチュエータの動作確認検証までを完了した。設計した100 mmサイズ試験片を用いて室温での荷重制御での検証試験を行ったが,その中央標点部に貼り付けたひずみゲージ値と試験片設計時に求めた数値解析はほぼ一致した。その一方で,高温での試験機動作検証やクリープ疲労試験の実施までは達成できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,まず高温でのクリープ疲労試験の実施と高温試験に特有の課題の解決に取り組む。具体的には,試験片は高周波誘導加熱装置を用いて加熱する計画であるが,中央標点部の温度分布を最適化できる加熱コイルの設計や制御方法を模索する。さらに,高温試験でのラチェット異常変形を防止するためには,中央標点部の変位を計測して制御機器にフィードバックする必要があることから,適切な伸び計も設計開発する。 取得した高温多軸でのクリープ疲労特性データや寿命データを精査して,既存の寿命評価式の有効性や適用範囲を検証する。
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