研究課題/領域番号 |
22K03823
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
松原 雅昭 群馬大学, 大学院理工学府, 名誉教授 (10241861)
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研究分担者 |
鈴木 良祐 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (10612400)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 硬さ試験 / 自由減衰振動 / 減衰定数 / 固有角振動数 / IoT / Raspberry Pi / Python |
研究開始時の研究の概要 |
「最も硬いものから、最も軟かいものまですべてにわたって、そしていろいろの目的にもよく適用できて、しかも同じスケールで表し得るようなもので、そのうえ十分な精度と感度と使い易さをもつような硬さ試験機」の実現を図る。このため、金属および非金属に適用でき、ドリルの刃先といった特殊形状にも対応可能であるハーバート硬さ試験機に着目する。本研究ではハーバート硬さ試験機の持つ特徴を活かしつつRaspberry Pi や無線加速度計を搭載した試験機を製作、オリジナル試験機にない「十分な精度と感度と使い易さ」を実現する。広範囲の材料および刃先のような特殊形状に対して新たな硬さ指標、マツバラ硬さの有効性を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、いまだに開発されていない「最も硬いものから、最も軟かいものまですべてにわたって、そしていろいろの目的にもよく適用できて、しかも同じスケールで表し得るようなもので、そのうえ十分な精度と感度と使い易さをもつような硬さ試験機」の実現を図る。この目的のため、金属のみならず非金属をも硬さ評価対象とでき、ドリルやフライスの刃先といった特殊形状にも対応可能であることが示唆されているハーバート硬さ試験機に着目する。研究代表者らはハーバート硬さ試験機の持つこの特徴を活かしつつ、Raspberry Pi および無線加速度計を搭載させた試験機を製作し、オリジナルの試験機が有していなかった「十分な精度と感度と使い易さ」を実現する。製作されるRaspberry Pi 搭載型ハーバート硬さ試験機によって試験中における試験機の自由減衰振動データを自立処理し、研究代表者らが提案したマツバラ硬さを評価できるようになる。 令和4年度については、自立測定可能なハーバート硬さ試験機を製作できた。また、マツバラ硬さの評価機能などの試験機の性能評価および温度ドリフトがマツバラ硬さに与える影響の調査を行った。 1)製作したハーバート硬さ試験機でマツバラ硬さなどの硬さ評価が可能であること確認した。 2)レーザ変位計との評価結果の比較を行い、評価精度を検証した。 3)試験中の加速度センサの温度変化を測定できるため、温度変化がマツバラ硬さに与える影響を調べたが、その影響はほぼ見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度主要目的であった下記内容のRaspberry Pi搭載型ハーバート硬さ試験機を製作できた。 1)ハーバート硬さ試験機にRaspberry Pi および無線加速度計を搭載させている。 2)Raspberry Pi に取り込まれたデータを処理して(使用プログラミング言語:Python)、試験機が自立して各種硬さ(減衰硬さ、周波数硬さおよびマツバラ硬さ)を評価できる。 3)液晶タッチスクリーンにより硬さ評価などをタッチ式で容易に行える。 これらによってオリジナルのハーバート硬さ試験機と比較して、「十分な精度と感度と使い易さをもつ硬さ試験機」を実現している。Raspberry Pi 搭載型ハーバート硬さ試験機により試験機外の計測系に依存することなしに試験機が自立して硬さ評価を行え、現場等での硬さ測定および臨機応変な利用が可能となっている。Raspberry Piの使用により試験機の IoT 化を図ることで、計測現場と管理部門との間の迅速なデータの遣り取りができる。
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今後の研究の推進方策 |
1)マツバラ硬さが「既存の硬さ値と同じスケールで表し得るのか」の検討。 各種硬さ基準片に対してハーバート硬さ試験を行い、マツバラ硬さとこれら既存硬さ値の関係を調べる。結果として、マツバラ硬さが既存の硬さ値と同じオーダーの値スケールで表示し得るかを検討し、得られたデータの範囲内で既存硬さ値との間の硬さ換算表を作成する。 2)マツバラ硬さが「硬い材料から軟らかい材料までかついろいろの目的に適用可能であるか」の検討。 「いろいろの目的に適用可能であるか」の検討のひとつとして、刃物の刃先を模擬した金属材料試験片を準備して、その刃先硬さ評価への適用可能性を検討する。岩石、金属材料、複合材料、木材および高分子材料などでマツバラ硬さの評価を行い、「硬い材料から軟らかい材料まで統一した硬さ値表示」がマツバラ硬さによって可能であるかを検討する。
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