研究課題/領域番号 |
22K03825
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
泉 隼人 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90578337)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | フレキシブルデバイス / 曲げ疲労試験 / 曲げ耐久性能 / フレキシブルプリント回路基板 / 銅配線 / フレキシブルエレクトロニクス / 印刷配線 / スクリーン印刷 / 電子顕微鏡観察 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、構造物の信頼性を保証するための機械工学的方法論をフレキシブルデバイスの評価に取入れ、すなわち極限的変形状態に至る間の動作特性を把握し、さらに複数の変形レベルにおける繰返し負荷に対する特性の変化を統合することで、視覚的かつ定量的な動作信頼性保証を可能とする、新しい評価体系の構築を目的とする。このため「完全二つ折り」を実現する疲労試験装置を開発し、PENフィルム基板にスクリーン印刷した銀ナノ粒子インク配線を試験片として性能低下特性を実験的に評価する。また印刷配線の物理的劣化状況を電子顕微鏡観察して、観察情報と疲労による破壊過程を関連付け、疲労寿命予測の工学的応用を試みる。
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研究実績の概要 |
IoTと呼ばれる新しいインフラが作る社会へ向けて、人や物に寄り添うソフトな電子デバイスの研究開発が活発化している。フレキシブルデバイスは、曲面に貼り付けして大変形にも追従できる特徴を持つが、その実用化と普及には、長期間使用に耐える機械信頼性をどのように評価し保証するかという問題を解決しなければならない。本研究は構造物の信頼性を保証するための機械工学的方法論をフレキシブルデバイスの評価に取り入れ、極限的変形状態に至る間の動作特性を把握し、さらに複数の変形レベルにおける繰返し負荷に対する特性の変化を統合することで、視覚的かつ定量的な動作信頼性保証を可能とする、新しい評価体系の構築を目的とする。研究計画の初年度として、今年度は以下の研究実績を得た。 デバイスの極限的変形状態に至る間の動作特性を把握するため、デバイスを完全に二つ折 りできる曲げ疲労試験機の製作に着手し、機械部品と直線往復動作機構を有する動力機を組み合わせ、一軸一方向に曲げ(片曲げ)、かつ繰り返し負荷が可能な疲労試験機を開発した。また曲げ方向に関して、一軸一方向から一軸二方向(両曲げ)への拡張を検討し、磁力とスライダークランク機構の組み合わせにより試験片の曲げ方向を任意に制御した一軸二方向曲げ機構を開発し、これを試験機に実装した。フレキシブルプリント回路基板(ポリイミドフィルム上にメッキで作製された銅配線)を試験片対象に、一軸一方向曲げおよび一軸二方向曲げの予備実験を実施し、曲げ機構の動作確認および疲労試験の実施に問題ないことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、試験片を「完全二つ折り」する曲げ機構を検討して、一軸一方向および一軸二方向に対応した曲げ機構およびこれを実装した疲労試験機を製作した。あらゆる電子デバイスの配線として用いられるFPC(フレキシブルプリント回路基板)を試験片対象として設計・製作し、これを用いて曲げ機構と試験機の動作検証を行い、次年度に向けて曲げ疲労試験が問題なく実施できることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
開発した曲げ疲労試験機を用いて、FPCの曲げ耐久性能を評価する。またスクリーン印刷を用いた銀ナノ粒子インク配線の試作および曲げ疲労試験に取り組む。
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