研究課題/領域番号 |
22K03831
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
小川 雅 工学院大学, 工学部, 准教授 (90635236)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 塑性ひずみ / 変位 / 非破壊 / 逆問題 / 非線形 / 残留応力 / 地震 |
研究開始時の研究の概要 |
地震発生後の発電プラントにおいては,比較的簡便に3次元の塑性ひずみを非破壊に評価することが求められており,また3次元残留応力がわかると余寿命を予測できるので,安全に利用することができる.本研究では,部材の変形情報や表面ひずみの値から非破壊に部材全域の塑性ひずみと残留応力を推定する方法について,数値解析によりその有効性を示すとともに,実際の構造物に対する適用を試みる.
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研究実績の概要 |
地震発生後、発電プラントの迅速な再稼働の可否の判断が求められる。本研究では、デジタルカメラを用いた画像相関法により非破壊計測した変位とX線回折法による表面ひずみから、それらの原因である3次元の塑性ひずみを逆問題解析により推定できるようにすることを目指す。ここで、地震荷重により生じる塑性変形は比較的大きくなることがあるため、その場合には発生する塑性ひずみと変位との関係が非線形になる。 2022年度には、まず1回の外力によって塑性変形が発生する場合、その結果として発生する変位から逆問題解析により原因である塑性ひずみを正しく推定する方法について検証した。ここで、塑性ひずみと変位との関係が線形になる場合と非線形になる場合の2つについて、単純な3点曲げ解析により得られた塑性ひずみ分布を正解とし、その結果として生じる変位から逆問題解析を試みた。その結果、線形問題の場合には従来の一般的な逆解析手法により正しく推定できることを確認した。また、非線形の場合にも、提案する繰返し計算手法により正解の値へと収束した。 次に、2回の外力の発生により塑性変形が生じる場合について検証する際、ソフトウェアの問題から、せん断成分の塑性ひずみを推定することができないため、本数値解析では、せん断成分の塑性ひずみが生じないように材料特性を設定した。ただし、この結果により生じた変位から塑性ひずみを逆解析する際、数値解析プログラムの問題で塑性ひずみと変位との関係行列を正しく得ることができていないことが明らかとなった。2023年度は、まずこのプログラムの問題を修正する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度には、原因である塑性ひずみとその結果として生じる変位との関係が非線形となる場合にも、本提案手法により、原理的に部材表面の2次元変位から正しく3次元の塑性ひずみ分布を推定できることを数値解析により示すことができた。これにより、1回の外力によって塑性変形が発生する場合の塑性ひずみの推定方法を確立することができた。研究を進めていく中で、利用している汎用の有限要素解析ソフトではせん断成分の塑性ひずみを考慮することができないことがわかったが、せん断成分を無視できるように、材料特性の設定を行うことができた。まだ、複数回の塑性変形が生じる場合について、本手法の有効性を検証することができていないが、検証を行うための数値解析プログラムを概ね設定することができている。引き続き、数値解析により、手法の原理的な有効性の評価を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度には、概ね本提案手法の原理的な検証を行うことができたものの、複数回の塑性ひずみが生じる場合について、検証することが課題となっている。 2023年度には、引き続き数値解析プログラムを修正し、2回の塑性ひずみが生じる場合に、非破壊に取得可能な表面変位と表面弾性ひずみの値から、逆問題解析により、正しく塑性ひずみ分布を評価できるかどうかを検証する。 次に、実際の構造物に対する適用に向けて、まずは数値解析により計測誤差の影響について考察する。変位や弾性ひずみにおける現実的な計測誤差を想定した場合の本手法の推定精度を評価し、比較的推定精度が低い場合には、本手法の推定精度を向上させる方法について検討する必要がある。 実際の構造物に対する本提案手法の適用を試みる際には、1回の塑性変形が生じた場合と複数回の塑性変形が発生する場合について、本手法の推定精度を評価する。ここで、正解の塑性ひずみ分布を知るために、外力の入力履歴を数値解析上で再現し、その際に得られる塑性ひずみ分布を正解として、本手法による残留応力の推定値との比較を行う。変位の計測は、デジタルカメラによる画像相関法により非破壊に計測する場合も考えられるが、計測誤差の大きさによっては、レーザー変位計を用いる場合も考えられる。なお、構想物にはひずみゲージを貼り付け、意図した変形を再現できているかを確認する予定である。
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