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鋳造品のオーダーメード時代に向けた球状黒鉛鋳鉄実体の非破壊材質評価技術

研究課題

研究課題/領域番号 22K03833
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分18010:材料力学および機械材料関連
研究機関旭川工業高等専門学校

研究代表者

堀川 紀孝  旭川工業高等専門学校, システム制御情報工学科, 教授 (80344480)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
キーワード鋳鉄 / 渦電流試験 / 周波数掃引 / 非破壊評価 / 球状黒鉛鋳鉄 / 非破壊試験
研究開始時の研究の概要

球状黒鉛鋳鉄は,鋳造による成形性の高さと強度・靭性などの機械的特性に優れるが,その化学成分だけでなく鋳造品の肉厚により機械的性質が変化するため,鋳造品実体を非破壊で調べる方法が必要である.本研究では,非破壊試験のひとつである渦電流法を用いる.渦電流法は,コイルを用いて発生させた磁界と試験体に誘導される渦電流の変化により,試験体の状態を知るものである.表面の状態の影響を受けやすく,その程度はコイルに加える電流の周波数(試験周波数)によって異なる.そこで本研究では,周波数を幅広く変化させる周波数掃引法を適用して,様々な表面をもつ鋳鉄鋳造品の機械的性質を評価する手法の開発を目指す.

研究実績の概要

これまでの成果を踏まえ,組織の異なる球状黒鉛鋳鉄の鋳肌および機械加工面に対して周波数掃引渦電流試験を行い,渦電流信号およびその周波数応答に与える影響を検証した.
過去に測定されたものと同様に,鋳肌と機械加工面では信号値自体に差があり,さらに鋳肌の周波数応答においては下限を示す周波数が観察された.下限周波数が計測面の表面粗さと対応していたことから,鋳肌の表面粗さとの対応を検証している.
プローブ開発については,静磁場を印加した状態での渦電流試験を試行するため,サマリウムコバルト磁石をプローブ近辺に配置するプローブを計画し,電磁界解析を行った.ただし,モデル化において問題が発生し,静磁界下での測定が渦電流信号に及ぼす影響の予測までには至っていない.
次に,これまで使用してきた渦電流試験装置に本助成で導入したロックインアンプを導入し,従来100kHzが上限であった測定周波数を最大3MHzまで拡張した.また,Labviewを用いた制御ソフトウェアのユーザーインターフェースも新規に作成し,計測項目,制御項目の追加を行った.プログラムも抜本的に見直し,今後の機能拡張に対応できるようにした.新装置による測定は試行の段階であるが,今後,周波数応答を以前の計測結果と比較する.なお,周波数計測帯が拡大したため,渦電流信号の測定値の最大値が大きくなり,測定器のレンジを超える事態が生じた.そのため,渦電流プローブに印加する電流を減少させて対応した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

プローブの改良案として,渦電流信号が安定するとされる外部磁界を導入すべくサマリウムコバルト磁石を組み込んだプローブ計画したが,設計するにあたって,静磁界と変動磁界の同時解析の妥当性の検証に時間を要した.また,計画当初予定のなかった副校長業務のため,全体的に研究に充てられる時間が大幅に不足したことも遅れ要因の一つである.また,評価装置の改良は進めているが,測定や分析に関して前年度の遅れを取り戻すには至らず,全体的に遅れが生じている.

今後の研究の推進方策

今年度はこれまでの成果を元に,周波数掃引計測システムをより評価に適した形に発展させるとともに,鋳肌での測定においても,適正な球状黒鉛鋳鉄の組織・強度評価が行えるように測定条件とプローブの検討,および信号の処理手法の開発を行う.
現状のシステムは,計測後に基準試験片と評価試験片の測定値の比で評価を行っているが,これを計測時に指示できるようにする.プローブの試作は引き続き検討を行う.また,連続測定や測定位置の安定化を図るため,これまでは治具によるプローブの固定を行っていたが,追加で小型のロボットアームを導入し,指定位置へのプローブの移動および測定の再現性を高めることを図る.制御には計測システムと同じLabviewを用い,計測部と連動して移動と計測を可能とする.さらに,試験対象の形状に適したプローブの移動を実現する.
また,評価用試験片として,鋳肌有り,機械加工の切削条件・表面粗さの異なる試験片を作成する.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Attempt to apply frequency sweep eddy current testing for evaluation of ductile cast iron2023

    • 著者名/発表者名
      Noritaka Horikawa
    • 学会等名
      Asian Foundry Congress 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 肉厚により変化する球状黒鉛鋳鉄の実体強度の評価手法2023

    • 著者名/発表者名
      堀川紀孝
    • 学会等名
      日本鋳造工学会 第182回全国講演大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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