研究課題/領域番号 |
22K03839
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
橋本 洋平 金沢大学, 機械工学系, 助教 (30456686)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 両面研磨 / 両面ラッピング / 両面ポリシング / 研磨 |
研究開始時の研究の概要 |
半導体ウェハなどの主要生産プロセスである両面研磨加工では,近年のDXの推進や省エネルギパワーデバイスの普及を受け,性能向上が強く望まれている.本研究では,両面研磨加工における重要な要素である加工物‐定盤間への研磨液浸入現象の解明に取組み,性能を向上させる技術を開発することを目的とする.研磨液浸入現象を解明のため,研磨液の浸入経路を限定した研磨実験と研磨液挙動の観察実験を実施する.そして,解明した現象に基づき,研磨液の効果的な供給を可能にする技術を検討する.
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研究実績の概要 |
加工物の上下両面を同時に研磨する両面研磨加工では,近年のDXの推進や省エネルギパワーデバイスの普及を受け,製造コスト削減をはじめとする性能向上が強く望まれている.しかし,その加工プロセスに関する理解はほとんど進んでおらず,革新的技術を着想できる状況にない.このため本研究では,両面研磨加工における重要な要素である加工物‐定盤間への研磨液浸入現象の解明に取組み,性能を向上させる技術を開発することを目的とする. 令和4年度は加工物の平坦度向上を目的とする両面ラッピングを対象に,加工物上面と上定盤の境界への研磨液の浸入現象の解明に取組んだ.最初に加工物上面と鋳鉄製の上定盤の境界への研磨液の浸入現象を可視化できる実験装置を作成した.本装置を活用した観察により,境界面には供給孔からの直接供給だけでなく,加工物を保持するキャリア上に存在する研磨液が境界に乗り上がりことで浸入することも確認した.その後に,研磨液の浸入経路を限定した研磨実験を行い,上記の観察結果からも示唆されたように,供給孔からの直接供給とキャリアからの乗り上がりの両供給経路ともに研磨特性に影響することを明らかにした.さらに,定盤に形成される放射状や同心円状の溝パターンが研磨液の浸入に及ぼす影響についても検討を行った.これらの研究成果から,研磨液を効率的に加工面に供給する新技術の着想にも至っており,今後検証実験を実施していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では,令和4年度に研磨液の浸入経路を限定した研磨実験を行い,令和5年度に研磨液挙動の観察に取組むことを想定していた. これに対し,当初計画よりも研磨液挙動の観察装置を容易に作成できたため,令和4年度に「加工物上面と上定盤間の境界」に対する研磨液挙動の観察を浸入経路を限定した研磨実験を実施した.一方,「加工物下面と下定盤間の境界」に関する検討は未実施であり,現在の進捗状況としては令和4-5年度の実施予定内容の半分が完了できているといえる. このため,全体的に当初計画からの遅れはなく,おおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度には加工物下面と下定盤間の境界に対する研磨液挙動の観察と浸入経路を限定した研磨実験を実施し,両面研磨加工中の研磨液浸入現象を解明する.また,令和4年度の検討で着想された加工物上面への研磨液の効率的な供給技術に関する検証実験も実施していく. 令和5年度の研究実施において,令和4年度の研究において蓄積したノウハウも活用できるため,障壁や大きな課題はないと現段階では考えている.
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