研究課題/領域番号 |
22K03863
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
田丸 雄摩 九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (30284590)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 位置決め / 可撓機構 / 磁力微動 / 非接触微動 |
研究開始時の研究の概要 |
研究初年度は微動機構の剛性を評価する解析・設計手法について検討する.テーブル微動は可撓機構で支持されるが,位置決め変位の精確な見積手法の確立が肝要となる.弾性ヒンジの配置やサイズなど剛性にかかわる要素仕様を高精度に予測できることを目標とする.また,微動の駆動源となる磁力較正の装置や試験方法についても並行して実行する. 次年度以降は,前年度の設計に基づいて微動装置の製作に着手する.微動変位は磁力変化に応じて生じさせるので磁極間隔を調整する駆動要素についても検討する.位置決め試験を行い,その結果をもとに微動装置としての性能評価を実施する.
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研究実績の概要 |
本研究は非接触での微動を達成させるため磁力をアクチュエータとする位置決め機構を構築することが目的である.従前の関連研究では永久磁石と電磁石の組み合わせで磁気吸引力を生成していたが,発熱や残留磁気の課題があった.そこで今回は永久磁石どうしの組み合わせを試みる.吸引力変化によって可撓機構に弾性変形を与えることで微動が生じる.ところで可撓機構を設計するにあたっては予め剛性を見積もる必要がある.そこで今年度はこの課題に対して注力した.剛性見積は従前研究の2軸可撓装置をベースに行った.可撓機構は弾性ヒンジを施した4本のビームで構成されている.形状精度を考慮すると一体成形が理想だが,加工性やコストの観点からこれらビームは個別に製作され端部をボルト結合している.そのため結合部に変形が集中して微動変位に影響を与えることが懸念される.そこでFEM解析によって可撓機構を一体成形した場合との比較を行った.また,可撓機構単体と機構をベースにボルト締結した装置全体での比較評価も行った.その結果,ボルト結合による剛性低下はみられず,装置全体でも単体とほぼ同等であった.したがって試験装置においてボルト結合が微動に与える影響はほとんどないと予測された.剛性見積にもとづいてX,Y各軸の出力変位を推定することができた. 本機構は各軸に対して対象形状をしているため軸間干渉や姿勢誤差が生じないことも特徴としている.そこで本解析ではあわせてこれらについても評価を行った.干渉や誤差はほぼゼロとなり本機構の特徴を反映する結果が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は可撓機構の剛性評価が主目的であったが本研究と関連する従前に開発の装置を参考に実施できた.つまり,試験装置の基本設計となる土台があるため特に支障なく解析を進めることができた.今後は今年度の成果をもとに装置の設計・製作を進められると考える.
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今後の研究の推進方策 |
磁力アクチュエータとしての能力を評価するため,磁力較正装置の製作および較正試験を中心に実施する.用いる永久磁石の選定,磁力の計測方法,磁極間隔の設定・調整手法を検討し,設計と製作を実施する.磁力は吸引力を発生させる予定だが理論的な推定が困難であるため較正試験で磁極間隔と吸引力の関係を調べる.また本年度の剛性解析結果をもとに出力変位を見積もる.これら較正試験の評価がまとまった段階で可撓機構の設計・製作に着手する予定である.
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