研究課題/領域番号 |
22K03872
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
板垣 宏知 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (00793184)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | プラズマ / 金属粉体 / 積層造形 / 直流アーク / 直流グロー / プラズマ処理 / 金属粉末 / 金属 |
研究開始時の研究の概要 |
金属AMプロセスでは高い流動性や充填性を有する金属粉末利用が必須であるが、プロセス中の粉体表面性状が劣化し、原料金属粉末の繰り返し利用回数が制限される。AM金属粉体リサイクル技術の確立は粉体製造時のCO2削減やAM総運用コスト削減し、SDGs達成を可能とするAMプロセスが実現する。本研究では、AM利用済み粉末をプラズマ処理し、処理粉体の粉体特性や物性を分析することで、AM利用済み粉体のプラズマ処理機構(加工機構)を解明すると共に、AMへの再利用性について評価するため、実際に積層造形試験を実施し、プラズマ処理粉末のAMに対する有効性検証及び、課題を抽出を実施する。
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研究実績の概要 |
本年度は、直流アークジェットプラズマを用いたニッケル基合金粉末の処理試験を実施する他、より粉体の処理効果や処理効率を向上させることを目的に長時間粉体とプラズマの接触を可能とするプラズマ粉体処理装置を開発した。プラズマ処理を実施する粉体材料としては複数回利用し表面酸素濃度や水分量が増加した金属粉末を利用した。 具体的には、直流アークジェットプラズマ処理では、処理圧力が粉体性上に与える効果について調査し、より粉体表面の酸素濃度が低減する条件を明らかとした。加えて、直流アークジェットプラズマ処理では粉体とプラズマの接触時間が極短時間(数十μs)であることが一般的に知られており、より表面処理の効果を得るためには粉体とプラズマの接触時間を増加させる必要がある。そのため、表面処理性能の向上を目的にバレル型の直流グロー放電による粉体処理装置およびプラズマノズルを開発した。本開発装置は積層造形装置と直接接続することが可能な設計となっており、原理的にはプラズマ処理した粉体を大気暴露せず積層造形装置に搬送することが可能である。本年度は装置開発に加え、この装置を用いたプラズマ生成条件および粉体処理条件の探索を行い、金属粉体(Ni基合金、銅合金)処理に対する好適な処理条件を明らかとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
表面状態の劣化した金属粉末に対し、プラズマ処理試験を実施し還元効果についての調査を終えている他、積層造形装置と直結可能な粉体処理装置を設計し、装置の作成を終了しているため、本研究は概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
R5年度は、表面状態の劣化した金属粉末に対し直流アークプラズマ処理を実施、その還元効果についての確認を終えていることに加え、これまでに明らかとなった低圧条件で表面処理効果が向上する結果を基に、低圧放電プラズマを用いた粉体処理装置を開発し、そのパイロット試験を実施した。 R6年度は、開発した低圧放電プラズマによる粉体処理試験を実施、その性能を調査する他、プラズマ処理粉体での積層造形試験とその造形物の評価等を継続して実施、粉体特性と造形物物性の関係を引き続き調査する予定である。
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