研究課題/領域番号 |
22K03884
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山口 大介 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 助教 (00735657)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アクチュエータ / ポリイミド / テクスチャ / フィルム / 熱駆動 / 溶着 |
研究開始時の研究の概要 |
熱膨張係数が異なる2枚の板を貼り合わせたバイレイヤアクチュエータは,電化製品の温調機構や宇宙機のロック機構,廃熱を利用した発電などに利用されている.本研究ではこれまでに,板の貼り合わせ時に特殊な加工を施すだけで,100倍以上の変位拡大効果が生じる事を発見した.本研究ではこの少ないエネルギーで大きな運動を生み出す効果の原理を明らかにすることを目的とし,将来的に,高性能・省エネルギーな次世代駆動源の実現や,エナジーハーベスティング技術の画期的な性能向上に繋がる基盤技術を得ることを目指す.
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研究実績の概要 |
本研究室ではこれまでに,熱膨張係数の異なるポリイミド(PI)フィルムを溶着する際に,特定の表面形状を加えることで,通常の熱膨張差を利用した変形と比較して約100倍の大変形が発生することを確認している.この変位拡大効果は実機試作を通して実現されているにとどまることから,本研究では,変位拡大効果のメカニズムを理解し,PIフィルム製大変形バイレイヤアクチュエータの設計技術獲得を最終目的としている.本変位拡大効果を利用したアクチュエータを,本研究ではテクスチャードアクチュエータと名付ける. 研究実施計画に従い,本年度は,テクスチャ形状(ストライプ形状)を変更したテクスチャードアクチュエータを試作・評価し,テクスチャ形状が出力特性に与える影響を確認した.少ない試作数で,設計パラメータと出力特性を紐付けた特性式を導出するために,実験計画法と重回帰分析を合わせた手法を確立した.アクチュエータの評価実験より,発生力と変位量の間にトレードオフの関係が見られ,これより加工処理によって見かけの剛性が低下し,変位拡大効果が起きている可能性を確認した.また変位量および最大発生力に強く影響する設計パラメータについて分析を行い,変位量または発生力にのみ大きく依存する項目と両者に関係するパラメータが存在することを確認した.加えて,重回帰式を求める事で,要求仕様(変位量・発生力)を有するアクチュエータを実現する設計パラメータの導出に成功し,試作を行った結果13%の誤差範囲内で設計・製作可能である事を確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに,当初計画に従ってアクチュエータの試作・評価,および変位拡大効果が生じる原因の特定を進めた.また実験計画法と重回帰分析を組み合わせる事で,要求仕様に沿ったアクチュエータの設計が可能となった.これにより,従来の設計・試作を繰り返すトライアンドエラーによる応用向けアクチュエータの製作から,目的に応じたアクチュエータの設計・製作が実現されると期待している.
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今後の研究の推進方策 |
今年度の設計方法の確立,昨年度の製作方法,評価装置の確立によって,アクチュエータの設計から評価までの一連の流れが完成した.今後,現在検討していない材料パラメータが駆動特性におよぼす影響について確認する.また,フィルム製造時の巻き取り癖がアクチュエータ製作における安定性に悪影響を及ぼしていることが確認された.そこで2枚のフィルムの溶着ではなく,PIフィルム上に直接PIフィルムを成膜することで,本アクチュエータの製作が可能か検討を進める.
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