研究課題/領域番号 |
22K03887
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
宮島 敏郎 富山県立大学, 工学部, 准教授 (60397239)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 樹脂 / 射出成形 / 繊維配向性 / 樹脂保持器 / エロージョン / トライボロジー / ガラス繊維強化樹脂 / 耐衝撃性 / 表面強さ |
研究開始時の研究の概要 |
長年研究している微粒子エロージョン法(マイクロ・スラリージェット・エロージョン(以下,MSE)法も含む)を応用し,転がり軸受用として射出成形したガラス繊維充填樹脂保持器の表面強さ評価法を開発する. ①微小多角形投射粒子による,表層から内部方向のガラス繊維充填状態評価 ②微小球形粒子による,転動体の微小衝突・異物噛み込みを想定した微小衝撃評価 ③大粒径球形粒子による,転動体の高負荷接触・衝突を想定した繰り返し衝撃性評価 上記の3点を統括し,微粒子エロージョン法による転がり軸受用射出成形樹脂保持器の表面強さ評価法を完成させる.
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研究実績の概要 |
今年度は,昨年度に引き続き,ガラス繊維強化樹脂保持器や炭素繊維強化樹脂保持器を作製して,大粒径球形粒子による,転動体の高負荷接触・衝突を想定した繰り返し衝撃性評価を中心に実施した.投射粒子に,試験機で使用可能な100 μm,200μm,300μmの大きな球形粒子(アルミナ)を用いることで,接触面積や衝突エネルギーを大きくして,高負荷繰り返し衝撃を模擬して下記の実験を進めた.その中で,樹脂とガラス繊維の複合部分に,投射粒子が衝突することで生じるエロージョン面を,レーザ顕微鏡で詳細な観察・形状測定するとともに,帯電低減可能なSEMにより,高倍率で観察をすることで,繰り返し衝撃時のガラス繊維による樹脂強化機構の解明を進めた. その結果,投射粒子100μmを用いた場合,樹脂保持器の部分ごとのエロージョン深さの差が小さく現れていたのに対し,200μmや300μm投射粒子を用いると,大きな差となって現れた.エロージョン深さに関しては,200μm粒子を用いた場合と300μm粒子を用いた場合とでは,大きな差が現れなかった. また,どの粒子を投射したエロージョン面においても,ガラス繊維と樹脂との境界での剥離,ガラス繊維の割れが見られた.この剥離の厚さや大きさは,投射粒子径が大きいほど,厚く,大きくなっていたことから,投射粒子を変えることで,表面に与える衝突エネルギーを変化させることが可能であるとわかった.剥離の数に関しては,大きさによる影響が現れにくいこともわかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り,実施できていると判断しているため.
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今後の研究の推進方策 |
今後,300μmの投射粒子での評価を中心に,各種繊維強化樹脂保持器の評価を進めていく.繊維の影響,成形時の影響,様々な要因との関係について,研究を進める.これらの評価を総合し,転がり軸受用射出成形樹脂保持器の表面強さ評価法を完成させる.
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