研究課題/領域番号 |
22K03891
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 静岡理工科大学 |
研究代表者 |
野崎 孝志 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (20548888)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 軸継手 / 振動的偏心 / 接触解析 / 微小すべり / 混合潤滑理論 / ストライベック線図 / スピン / 転がりすべり摩擦 / ミスアライメント |
研究開始時の研究の概要 |
超大偏心軸継手(以下、本軸継手)の最大の特長は、構成部品が簡素で大きな偏心を許容するだけでなく、従来では実現できなかった動的偏心挙動に対しても、円滑な作動が得られることである。研究の目的は、本軸継手が動的偏心挙動下での回転特性(回転変動、効率等)に及ぼす影響を解明し、新規駆動系を実現することである。ボールと案内溝で構成される接触部は、ストライベック線図上の潤滑領域全てが駆動域にあることに加えて、微小すべりが存在する複雑なトライボ面を形成している。これらへの理論的アプローチとして、複雑なトライボ要素を有する振動系を物理モデル化し、振動擾乱であるミスアライメント等が回転特性に与える影響を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究開発の目的は,従来の機構では実現できなかった超大偏心量と円滑な作動性を有する超大偏心軸継手(以下,本軸継手)の特長である振動的に変動する偏心挙動における,回転特性(作動性・回転変動率・伝達効率等)に及ぼす影響を解明することにより,本軸継手の実用化適用範囲を拡大し,自動車分野だけではない新規駆動系(特にロボティクス分野の駆動系等)の実現に寄与することが目的である.転動体(ボール)の往復動により微小すべりが内在し,ストライベック線図で表される境界・混合・流体潤滑特性を有する転がり接触部で構成されている本軸継手を物理モデル化し,振動擾乱であるミスアライメント等が回転特性に与える影響を定性的かつ定量的に解明し,実験により整合性を図ることにより,機構の安定性や寿命の向上を達成することが可能であり,本軸継手の適用範囲の更なる拡大を図ることで,新規駆動系を実現することができる. 令和5年度の研究実績としては,物理モデルと実現象との整合性を図るため,振動的に変動する偏心挙動の印加が可能な振動試験機の設計・製作・組立を実施した.試験機構成は,従動軸側の台座全体を,リニアガイドで支持し,駆動系軸方向と垂直方向に自由度を持たせた.従動軸側の台座全体の振動的偏心挙動については,サーボモータにより駆動制御を行う構成により作用させる.現在,様々な条件にて実験が可能となるよう調整中である. この試験機から得られる実験データを基に,昨年度に基本構成を完成した理論解析モデルとの精度の高い整合性を確認していく.理論解析モデルは,試験機構成と同じ挙動が確認できるモデルであり,ストライベック線図で表される境界・混合・流体潤滑の非線形摩擦特性を理論的に考慮した本軸継手の物理モデルであり,3次元解析モデル(ソフトウエアAdams)の接触解析機能を用いて構成されている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度(令和4年)から現在まで着手している項目は,主に次の項目である.すなわち,『振動的に変動する偏心挙動を入力条件とした,ボールの往復動により微小すべりが内在し,ストライベック線図で表される境界・混合・流体潤滑の非線形摩擦特性を理論的に考慮した本軸継手の物理モデルを確立する.』であり,もうひとつの項目は『物理モデルと実現象との整合性を図るため,振動的に変動する偏心挙動の印加が可能な振動試験機の製作と実験の実施』である. 振動的に変動する偏心挙動を入力条件とした,ボールの往復動により微小すべりが内在し,ストライベック線図で表される境界・混合・流体潤滑の非線形摩擦特性を理論的に考慮した本軸継手の物理モデルの基本形を作成した.すなわち,本軸継手の物理モデルの基本形には,本軸継手の3次元解析モデル(ソフトウエアAdams)に,境界・混合・流体潤滑の非線形摩擦特性をストライベック線図として,非線形摩擦特性を入力可能とした新たなサブルーチンを開発した.さらには,従来は一定値の偏心量のみが入力可能であった解析モデルに,振動的に変動する偏心挙動を入力可能とした. 物理モデルと実現象との整合性を図るため,振動的に変動する偏心挙動の印加が可能な振動試験機の設計・製作・組立を実施した.試験機構成は,従動軸側の台座全体を,リニアガイドで支持し,駆動系軸方向と垂直方向に自由度を持たせた.従動軸側の台座全体の振動的偏心挙動については,サーボモータにより駆動制御を行う構成により作用させる.現在,様々な条件にて実験が可能となるよう調整中である.この試験機から得られる実験データを基に,昨年度に基本構成を完成した理論解析モデルとの精度の高い整合性を確認していく.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は,まずは組立完了した試験機を,様々な条件にて実験が可能となるよう調整することである.円滑な振動的に変動する偏心挙動の印加が可能となるよう,サーボモータにより駆動制御を行う構成を調整していく. これらの実験データと『振動的に変動する偏心挙動を入力条件とした,ボールの往復動により微小すべりが内在し,ストライベック線図で表される境界・混合・流体潤滑の非線形摩擦特性を理論的に考慮した本軸継手の物理モデル』の整合性を取り,摩擦係数算出の精度を高めるために,スピンを考慮した非線形摩擦特性を付加し,本軸継手の回転と振動的偏心挙動下の条件において,ストライベック線図をさらに定量化して表し,3次元解析モデル(ソフトウエアAdams)の摩擦係数決定のためのサブルーチンを進化させる.スピンを定量的に考慮する際には,転動体(ボール)は入出力プレート溝の接触と保持器の3点接触を考慮していく.これは本年度実施予定のパラメータスタディの重要なパラメータのひとつとなる. 尚,混合潤滑理論の適用方法は次のⅠ~Ⅳの通りである.Ⅰ 粗さの高さを分布ガウスと仮定したGREENWOOD & TRIPPの接触理論式を用いて,粗さ突起が分担する接触面圧を求め,摩擦係数との積から摩擦力を算出する.Ⅱ 流体潤滑部ではジョンソチャートによる潤滑モード判定を行い,油膜厚さ求める.Ⅲ JOHNSON& TEVAARWERKの非線型粘弾性マクスウェルモデルをアイリング解に簡略化して,流体潤滑部の摩擦力を求める.Ⅳ 突起接触による接触摩擦力と流体潤滑部摩擦力の和を求めて摩擦係数を算出する.
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