研究課題/領域番号 |
22K03914
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 高知工業高等専門学校 |
研究代表者 |
秦 隆志 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 教授 (00342577)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ウルトラファインバブル / ナノバブル / ラジカル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、ファインバブル(微細気泡)の研究において残る『問い:ウルトラファインバブル(UFB)からラジカルは発生するのか?』の「答え」を得て、メカニズムの解明、さらに効率的なラジカル発生技術へと深化させ、社会実装技術とした構築を目指す。また、ラジカルは殺菌技術にも使用でき、現在猛威を振うコロナ殺菌にも効果的である。つまり本研究成果は、With CoronaやAfter Coronaで活用できるNew Normalな殺菌技術として、ファインバブル(流体工学・混相流など)学術の潮流の加速のみならず、社会的急務な事項への対応策とした発展性を持つ。
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研究実績の概要 |
流体工学分野の混相流を筆頭に、多くの学術分野や産業分野においてファインバブル(微細気泡)研究が加速度的に進んでいる。しかしながら、ファインバブルの内、特に1μm未満のウルトラファインバブル(ナノバブル)には非常に大きな学術的『問い』が未解明のまま残っている。それは、ウルトラファインバブルからラジカルが発生するのか?といった『問い』である。このラジカルは非常に高い反応性を有することから、学術を基盤とする産業的利用性が高く、この「答え」が強く求められている。本研究では、この長きに渡り残されている学術的大きな『問い』の解明に向け仮説を提案し、仮説の検証から「答え」を得て、さらに効率的なラジカル発生技術へと深化させ、社会実装技術とした構築を目指す。 研究概要としては、【① UFBが外部刺激によって崩壊しラジカルが発生するのか?(仮説の検証):1年目】、【② UFBが不純物へ接触することによって崩壊しラジカルが発生するのか?(仮説の検証):2・3年目)】、【③ 仮説検証をもとにしたUFBからの効率的ラジカル生成に関する基本構築(技術深化):4年目】とした。 初年度は上記項目の①を実施し、UFBに対し混和転倒や紫外線、加温、冷却、沸騰、凍結融解、超音波処理等をおこない、UFBの安定性を評価した。結果、比較的弱い応力ではUFBは安定的に存在し、強い応力や状態変化などが生じた場合にUFBの崩壊を確認した。合わせて当該過程においてラジカル種が観測され、基本的にはUFBの崩壊量とラジカル量の間に相関性が確認された。他方、紫外線処理でUFB自体は安定的に存在したが、内包する気体(空気)との反応からオゾン、および過酸化水素の発生を確認した。なお、これらの知見を学会発表で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究概要としては、【① UFBが外部刺激によって崩壊しラジカルが発生するのか?(仮説の検証):1年目】、【② UFBが不純物へ接触することによって崩壊しラジカルが発生するのか?(仮説の検証):2・3年目)】、【③ 仮説検証をもとにしたUFBからの効率的ラジカル生成に関する基本構築(技術深化):3年目】の3項目を設定した。1年目は項目①が該当する。 【① UFBが外部刺激によって崩壊しラジカルが発生するのか?(仮説の検証):1年目】 UFBに対し混和転倒や紫外線、加温、冷却、沸騰、凍結融解、超音波処理等をおこない、UFBの安定性を評価した。結果、混和転倒や紫外線、加温、冷却ではUFBは安定的に存在し、沸騰や凍結融解、超音波処理によってUFBの崩壊を確認した。合わせて当該過程においてラジカル種が観測され、基本的にはUFBの崩壊量とラジカル量の間に相関性が確認された。ただし、各種の処理自体でラジカル量が変動する可能性があり、今後、検討を継続する。他方、紫外線処理でUFB自体は安定的に存在したが、内包する気体(空気)との反応からオゾン、および過酸化水素の発生を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
項目①で各種の処理自体でラジカル量が変動する可能性を確認したことから、当該検討を継続する。 さらに前述までに示した【② UFBが不純物へ接触することによって崩壊しラジカルが発生するのか?(仮説の検証):2・3年目)】、【③ 仮説検証をもとにしたUFBからの効率的ラジカル生成に関する基本構築(技術深化):4年目】を実施する。特に近接の年度では項目②について注力し、最終年度では項目①・②で得られた各知見から『問い:UFBからラジカルが発生するのか?』に対する仮説の検証と、ラジカル発生の要因を決定づける。さらに、その要因を強めることによりUFBから効率的ラジカル生成の基本構築をおこない、社会実装技術の構築に繋げる。
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