研究課題/領域番号 |
22K03917
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
堀本 康文 北海道大学, 工学研究院, 特任助教 (60822525)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 高Reynolds数乱流 / Taylor-Couette乱流 / 摩擦抵抗変調 / 粘弾性流体 / 希薄界面活性剤水溶液 / 抵抗低減 / 界面活性剤水溶液 / 粘弾性乱流 / Taylor-Couette流 / 粒子画像流速測定 / 乱流 / 蛍光プローブ法 / 粒子追跡流速測定 |
研究開始時の研究の概要 |
添加剤による壁面乱流制御、抵抗低減現象の物理機構を解明するため、高いReynolds数のせん断乱流を維持できる装置を用いた実験を行う。実験には、主に内外円筒の回転を独立に制御できる世界最大級のTaylor-Couette流の装置を用いる。この装置では乱流による壁面摩擦抵抗を直接に評価可能である。系統的な実験により得られる壁面摩擦抵抗の変調を評価したのち、乱流速度場計測により乱流構造を明らかにする。さらに、添加剤が形成するミクロの変化を調べるために蛍光プローブ法を用いて、抵抗低減現象と流体のレオロジー的性質の関連も明らかにする。
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研究実績の概要 |
大型の回転二重円筒間流れ(Taylor-Couette流)の実験装置により実現した高Reynolds数のせん断乱流に、きわめて微量の界面活性剤を添加したときの乱流変調現象について、粒子画像流速測定(PIV)により以下のことを明らかにした。実験は二つの円筒の同方向回転と逆方向回転を含む広範な回転条件にわたって、円筒表面上に乱流境界層が形成されるパラメタで実施した。(1)乱流強度はいずれの条件でも顕著に低下する。(2)対数速度分布の係数は水の場合と比較して変化する。 とくに(2)について、速度分布の係数の増減は、前年度に明らかにした回転条件による壁面摩擦抵抗の増減と相関があることが明らかになった。これは、界面活性剤の添加による高いReynolds数のTaylor-Couette乱流での摩擦抵抗の変化では、乱流境界層における角運動量輸送メカニズムの変調が重要なファクターであり、その結果として前年度報告したバルク領域での平均流の剛体回転領域が形成・維持されることを示唆する。 また、別のアプローチとして、本年度よりNewton流体の高Reynolds数Taylor-Couette流の乱流モデル開発を共同研究として進めている。現時点では、流れ場の曲率の曲率の効果がモデリングにおいて本質的に重要であることを示す結果を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度までの実験により、界面活性剤添加による高Reynolds数Taylor-Couette乱流における角運動量輸送と壁面摩擦抵抗の変調の物理機構が明らかになった。これにより、研究開始当初の定量的予測を達成するための現象の理解が進みつつある。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、円筒間の角運動量輸送メカニズムの変調をより詳細にするために、角運動量輸送のバジェットの解析を進める。また、Newton流体の乱流モデリングで得られた知見を活かして、界面活性剤添加による乱流変調現象のモデル構築にも着手する。
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