研究課題/領域番号 |
22K03927
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
Jiang Fei 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (60734358)
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研究分担者 |
辻 健 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60455491)
望月 信介 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (70190957)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 多相流 / 接触角 / 多孔質体 / CO2-EOR / 多相流れ / 多相流解析 / CO2貯留 / 大規模シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
CO2を原油貯留層に圧入することで、原油を取り出すCO2-EOR石油増進回収法は、CO2の大気排出抑制と石油増産を実現する一石二鳥の技術として注目されている。しかし、CO2-EORの増油メカニズムはまだ不明なことが多い。本研究では、CO2溶解の影響を考慮し、CO2-EORのメカニズムの解明を目的とした混和性CO2-油-地下水三相流体解析モデルの構築を目指す。CO2溶解モデルの構築及びCO2濃度と油粘性・界面張力の関係の定式化を行い、CO2溶解が三相流挙動に与える影響を解明する。CO2-EORの回収率の評価及び向上を目指した高効率な混和性三相流シミュレーターを構築する。
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研究実績の概要 |
二酸化炭素(CO2)排出を削減する方 法として、CO2の分離回収・資源化・貯留技術の確立は喫緊の課題である。CO2を原油貯留層に圧入することで、原油を取り出 すCO2-EOR石油増進回収法は、CO2の大気排出抑制と石油増産を実現する一石二鳥の技術として注目されている。本研究では、CO2溶解の影響を考慮し、CO2-EORのメカニズムの解明を目的とした混和性CO2-油-地下水三相流体解析モデルの構築を目指す。本年度では、分子動力学及び空隙スケールの融合計算について取り組んでいた。得られた結果から、CO2濃度の増加に伴い、IFTと粘度の両方が一様に減少し、油の粘度は水の粘度に逆転し、これが多孔質媒体内の置換メカニズムに影響することがわかった。分子スケールで得られた知見を、LBMシミュレーションに使用して細孔スケールの研究にスケールアップした。シミュレーション結果は、残留飽和度(Sor)と初期飽和度(Soi)の関係、ならびにSorとシステムCO2濃度の関係をカバーする3D相図にまとめた。Soiが増加すると、Sorは最初に増加し、その後比較的平らなプラトーに達し、すべてのCO2濃度条件で非単調なI-R曲線が得られた。このことから、CO2-EOR効果は、全体的にCO2濃度の増加に伴って増加し、注入されたCO2が石油回収の強化に有益であることを示している。開発したモデルは複雑な地下の岩石(粘土鉱物を含む)におけるCO2の流れの挙動と残留飽和度を理解することが可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、CO2濃度が油粘性・界面張力に及ぼす影響を明らかにし、CO2濃度を考慮した空隙スケールの多相流シミュレーションを実施することで、CO2-EOR効果が確認できた。CO2濃度の増加に伴って増加し、注入されたCO2が石油回収の増進に有益であることがわかった。以上のことから本研究はおおむね順調に進展していると判断 している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度では、並列計算技術GPGPU及びスパコン高性能計算を駆使し、高解像度の岩石マイクロX線CTモデルでCO2-EOR シミュレーションを実現 する。地層の圧力温度環境下のCO2圧入時の油排出挙動シミュレーションを行い、実験と比較し検証する。実岩石での大規模計算によって、岩 石空隙構造の形状、油層の連続性、浸透率、圧入指数、流体の性質などのCO2―EORの回収率への影響を明らかにし、回収率向上に寄与するキー パラメータを発見する。
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