研究課題/領域番号 |
22K03929
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
草野 和也 九州大学, 工学研究院, 助教 (10879977)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 流体騒音 / 格子ボルツマン法 / 最適化 / アジョイント法 / オートエンコーダ |
研究開始時の研究の概要 |
数値解析技術の発達により、車両や家電などの機器の設計時に、流体騒音を予測するとともに、その発生メカニズムを明らかにすることが可能になりつつある。しかしながら、発生メカニズムが明らかになったとしても、どのように形状を修正すれば、流体騒音の発生を抑制できるのかは自明ではない。本研究では、格子ボルツマン方程式を拘束条件とした変分問題を定式化することにより、流体騒音に対する多数の設計変数の感度を高精度かつ高速に評価可能な随伴感度解析法を構築する。さらに、本手法を用いて円柱および翼を対象に超多自由の形状最適化を実施し、乱流騒音の発生を抑制する新しい後縁形状を創出する。
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研究実績の概要 |
数値解析技術の発達により、車両や家電などの機器の設計時に、流体騒音を予測するとともに、その発生メカニズムを明らかにすることが可能になりつつある。しかしながら、発生メカニズムが明らかになったとしても、どのように形状を修正すれば、流体騒音の発生を抑制できるのかは自明ではない。現状では、個々の問題ごとに経験則に基づく対策が講じられており、流体騒音の低減を目的とした汎用的な設計手法は確立されていない。 本研究では、格子ボルツマン方程式を拘束条件とした変分問題を定式化することにより、流体騒音に対する多数の設計変数の感度を高精度かつ高速に評価可能な随伴感度解析法を構築する。さらに、本手法を用いて円柱および翼を対象に超多自由の形状最適化を実施し、乱流騒音の発生を抑制する新しい後縁形状を創出する。本手法によって、従来の試行錯誤的な設計から脱却し、誰もが計画的に静音形状を創出することが可能になると期待される。 本年度は、随伴解析のデータ量削減・高速化技術の構築に取り組んだ。非定常の随伴解析では、毎時間ステップの全格子点における速度を入力データとして必要とする。長時間の時間発展を計算する場合、全データをメモリに保持するのは不可能であるため、HDDやSSDなどの外部記憶装置に一時保存する必要がある。そのため、ストレージ容量によって実行可能な計算規模が制限される。また、実行時間の7割以上がデータI/Oに費やされる。そこで、本研究では、畳み込みニューラルネットワークに基づくオートエンコーダを用いて速度場を高効率に縮約・復元する手法を随伴解析に導入することによって、随伴解析の高速化を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度までに、当初の計画通り、解析手法の定式化が完了し、データ量削減・高速化技術を構築した。
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今後の研究の推進方策 |
構築した随伴感度解析法を用いて、一様流中の円柱および単独翼を対象に後流渦から発生する乱流騒音の低減を目的として超多自由度の形状最適化を実施する。本最適化では、物体の後縁付近の局所的な形状修正によって、抗力および揚力などの空力性能に大きな影響を及ぼすことなく、流体騒音の発生を抑制することを試みる。また、本手法では多数の設計変数の感度を1度に評価することができるため、100~1000個程度の設計変数によって形状を定義し、これまでに発見されていない新たな静音形状を創出することを試みる。
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