研究課題/領域番号 |
22K03951
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
春木 直人 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (10311797)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 高分子収着剤 / 衣服内気候 / 温湿度制御 / 吸着発熱反応 / 自然対流 / 高分子収着剤繊維不織布 / 吸湿発熱 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,従来の吸湿発熱繊維よりも水分吸着特性に優れ,低温での再生(脱着)も可能である有機高分子系の高性能吸放湿材料空調用素材である高分子収着剤を新たな吸湿発熱繊維として使用し,衣服内気候の温度と湿度を制御して,人体にとって快適な衣服内気候を実現する技術の開発を行う. 特に,人体の不快感の主要因である発汗等で生じた水分による衣服内気候の湿度制御のため,衣服内気候内の気流(外部からの流入,体温による自然対流)と組み合わせることで不織布を着用しながらの衣服内気候の温湿度の制御を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究では,従来の吸湿発熱繊維よりも水分吸着特性に優れ,低温での再生(脱着)も可能である有機高分子系の高性能吸放湿材料空調用素材である高分子収着剤を衣服の新たな吸湿発熱繊維として衣服内気候の温度と湿度を制御して,人体にとって快適な衣服内気候を実現する技術の開発を行うものである.特に,人体の不快感の主要因である発汗等で生じた水分による衣服内気候の湿度制御のため,衣服内気候内の気流(外部からの流入,体温による自然対流)と組み合わせることで不織布を着用しながらの衣服内気候の温湿度の制御を目指している. この研究目的の実現のため,本研究期間にて明らかにするべき項目は,①本研究に適した新たな高分子収着剤繊維不織布の作製と性能確認,②発汗による湿度と,外部から温湿度が制御された空気の流入出ができる実験装置の準備,③様々な状態(温度,湿度,気流)とした衣服内気候に設置した新たな高分子収着剤繊維不織布の収着発熱特性の確認と衣服内気候の温度・湿度の制御技術の確立である. 令和4年度には,主に項目②に関連した新たな実験装置の作成を実施した.特に,温湿度の制御を行う精密空調機器については,ベースとなる機器を本実験条件に則したものとするため,メーカーとの数度の打ち合わせを行って検討し,納入された.また,従来の実験装置を用いて,水平に設置した衣服内気候の自然対流における気流の発生と,その流動状態に関する検討を行った.その結果,水平状態下での衣服内気候の特徴を明らかにし,さらに,それまでの研究成果を学会にて発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究期間内で明らかにするべき項目の内,②発汗による湿度と,外部から温湿度が制御された空気の流入出ができる実験装置の準備を行うためには,十分な精度での温湿度の制御と,一定流量での送風能力を有する実験装置を用意する必要がある.この項目については,令和4年度にて,新たに設置する精密空調機器に対して,メーカーとの打ち合わせを行うことで本実験条件を実現可能にする改良を行った後,購入が完了した.さらに,衣服内気候の温湿度制御方法の一つである体温による自然対流の気流に関しては,水平状態とした衣服内気候での気流の発生と,その流動特性についての測定を実施した.一方,項目③を実施するため,既設の実験装置にこの精密空調機器を組み込んでの温湿度制御に関する性能確認は未実施である.さらに,項目①についても項目③を実施できる体制が確立しないと正確な検討が困難であるため,令和4年度の実施は見送った.以上の実験進行状況により,(2)おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度では,まず,令和4年度に納入された精密空調機器を,既設の実験装置に設置して,空気の温湿度の制御能力の把握を行う予定である.把握ができた後には,まず従来の高分子収着剤繊維不織布を用いて,衣服内気候の温湿度の制御状態の測定を行うとともに,その測定から,高分子収着剤繊維不織布の繊維系や目付,高分子収着剤使用割合が,衣服内気候の水分の収着特性や,その収着発熱反応による温湿度制御状態に与える影響についてを把握する必要がある. また,人体からの発汗を想定した衣服内気候への水分供給方法についても,検討を開始し,さらに製作を行う予定である.
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