研究課題/領域番号 |
22K03954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
菅野 望 名城大学, 理工学部, 准教授 (40529046)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 推進薬 / 詳細反応モデル / エアロゾル凝集モデル / 宇宙機推進薬 / 着火・燃焼 / ヒドラジン誘導体 / エアロゾル |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙機の軌道修正・姿勢制御用スラスター推進剤であるヒドラジン/四酸化二窒素の自己着火過程において,ヒドラジンと反応中間生成物である亜硝酸によるエアロゾルの生成とその凝集熱が着火遅れ時間へ与える影響を理論計算により明らかにする.量子力学計算と統計力学計算によりヒドラジン/亜硝酸クラスターの熱力学的物性を推定し,核生成理論における臨界核に相当するクラスターサイズを決定する.クラスターサイズと熱力学的物性の相関関係より,気相のヒドラジンや亜硝酸分子のエアロゾルへの溶解熱等を外挿し,エアロゾル凝集熱を考慮したエアロゾル生成モデルを構築し,着火遅れ時間への影響を検討する.
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研究実績の概要 |
宇宙機の姿勢制御用スラスター推進剤であるヒドラジン誘導体(ヒドラジン及びモノメチルヒドラジン)/四酸化二窒素 (N2H4/N2O4, CH3NHNH2/N2O4) の自己着火メカニズムにおける未解明発熱源と考えられるヒドラジン誘導体-亜硝酸 (N2H4-HONO, CH3NHNH2-HONO) エアロゾル凝集過程の初期段階において重要となる N2H4-HONO, CH3NHNH2-HONO 錯体の熱力学特性について,量子化学計算と統計力学計算による理論予測を行った. 本年度は,(N2H4)n-(HONO)m 錯体について昨年度から n + m ≦ 8, (m = n, n ± 1) まで拡張し,セクショナル法によるエアロゾル凝集モデルの構築に着手した.また,(CH3NHNH2)n-(HONO)m 錯体の数値計算に取り組み,昨年度得られた (N2H4)n-(HONO)m 錯体の結果と比較することで,N2H4 への CH3 置換により錯体の安定化エネルギーが増大すること,水素結合において H 原子受容体となるアミン基への CH3 置換の方が H 原子供与体となるアミン基への置換よりも安定化の程度が大きいことを明らかにした.(CH3NHNH2)n-(HONO)m 錯体は,(N2H4)n-(HONO)m 錯体よりも小さい (CH3NHNH2)2-(HONO)2 からイオン性錯体が安定になることを見出した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CH3NHNH2-HONO クラスターの熱力学物性の推定について,N2H4-HONO の知見を活用し CH3 置換による安定化を考察することで効率的な検討を試みたが,分子サイズの増加による計算コストの増大により,CH3NHNH2-HONO クラスターの臨界クラスターサイズを推定するには至っていない.
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今後の研究の推進方策 |
N2H4-HONO については,セクショナル法によるエアロゾル凝集モデルの実装を完了し,エアロゾル凝集モデルの有無による自燃性着火遅れ時間の変化を確認する. CH3NHNH2-HONO については,これまでの計算結果について計算コストの低い理論レベルとの比較を行い,計算精度として許容できる範囲で理論レベルを落とし,臨界クラスターサイズを超える範囲までの検討を行う.
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