研究課題/領域番号 |
22K03961
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
窪山 達也 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80578831)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 壁面熱流束 / 壁面消炎 / 熱機関 / 壁面熱損失 / 消炎 / 希薄燃焼 / 副室燃焼 / 熱損失 / 噴流火炎 |
研究開始時の研究の概要 |
ゼロエミッション社会の実現のため,カーボンニュートラルな燃料に適応しながら,エネルギー効率を飛躍的に高めることが喫緊の課題である.熱機関の高効率化技術である超希薄燃焼を実現し,また水素やアンモニアなど多様な燃料にも対応可能な燃焼技術として,副室ジェット燃焼に対する期待が高い.本研究は,副室ジェット燃焼の課題である熱損失低減技術の開発に繋がる基礎的な知見をえるため,熱損失過程の基本現象である衝突噴流火炎の壁面熱伝達に対して,壁面付近での発熱反応や消炎が及ぼす影響に着目し,噴流火炎の燃焼・反応特性,および受熱側の壁面温度などの境界条件が壁面熱流束に与える影響を明らかにするものである.
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研究実績の概要 |
本研究では,急速圧縮膨張装置を用いて,薄膜型熱電対を使用した壁面熱流束計測と,伝播火炎中のCH*ラジカル自発光の高速度撮影を行い,壁温の違いによる消炎層層厚さおよび壁面熱流束への影響を調べた.この結果,燃焼室壁面の熱流束は,どの条件においても火炎が壁面に到達してから数msの遅れを経て上昇を開始することがわかった.この遅れは火炎面が壁面近傍に到達したときの壁面近傍,未反応帯に存在する未燃ガスを介して高温の既燃ガスから壁面へ熱が伝達する際,中間に存在する未燃ガスの温度が上昇する過程にかかる時間であると考えられる.また,温度による違いに着目すると,燃焼室壁面の熱流束の最大値は,110℃以下で高い温度依存性があり,壁温と負の相関関係を示した.しかし,この特性は110℃を境に覆り,燃焼室壁面の熱流束の最大値は,高温場(110℃より高い温度帯)に低温場ほどの温度依存性はないが正の相関関係を示した.また,この結果は熱流束最大時の熱伝達係数でも同様であった.これに関して,筒内と壁表面の温度差に原因があると思われたが,熱流束最大時の筒内-壁表面間温度差は温度依存性を示さなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
火炎の可視化,熱流束計測は概ね順調に進展しているが,新規設計部品の試作が遅れているが,リカバリー可能な範囲であると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
急速圧縮膨張装置内の基礎的な燃焼場での壁面消炎と熱伝達の観察ができたため,より実用燃焼器に近い単気筒エンジン内の熱流束,消炎解析を進めたい.
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