研究課題/領域番号 |
22K03969
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
佐竹 信一 東京理科大学, 先進工学部電子システム工学科, 教授 (90286667)
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研究分担者 |
谷口 淳 東京理科大学, 先進工学部電子システム工学科, 教授 (40318225)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | サブクール沸騰 / 沸騰気泡共振器 / 沸騰音 / 可視化計測 / 深層学習 / MEMS技術 / 沸騰冷却 / ナノインプリント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では既存のプール沸騰における沸騰熱伝達促進研究とは全く異なり、伝熱面への加工は一切行わない新手法を提案する:ある一部分だけを固定・支持して稼働できる状態にした干渉板を伝熱面直上に設ける手法である。気泡の凝縮崩壊時のエネルギーを沸騰熱伝達向上に積極的に有効利用し共振物体を伝熱面直上に設置することを考案した。沸騰気泡成長時の膨張圧力とサブクール環境下における気泡凝縮作用により伝熱面直上の干渉板に連続する加振力を与え、干渉板を自励振動させることが狙いである。さらに、振動する干渉板にMEMS技術を援用して濡れ性の制御も加味して実際に沸騰熱伝達にどのような影響を及ぼすのかを実験的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
沸騰気泡を利用した新たなコンセプトの伝熱促進手法として沸騰気泡共振器( Boiling bubble resonator, BBR)を申請者は開発した。本研究では,振動が伴う沸騰熱伝達現象でこのBBR振動板から噴出されるマイクロバブルの流動現象をPIV法で計測を行った。共振器の振動モードと沸騰バブルの発生の周期と流れの様子にPIV計測手法を用いることで、伝熱面へのサブクール液の供給過程と板の振動も直接評価できる。これにより沸騰伝熱現象を最大限に促進させる方法見出す。またMEMS技術をBBRの裏面に適用することで濡れ性を促進し振動板へのサブクール液の供給を増大させることにより高蒸発促進に最適なナノ構造を有する伝熱デバイス創製技術を確立する。本年度は、BBR内の濡れ性について検討して、濡れ性の違いによってBBR板から噴出されるマイクロバブルの3次元流れを観察した。本研究では,2台のカメラを用いた噴出のPIV計測法によるBBR近傍での流体の挙動の把握と水平方向からのBBRの動きのスペクトルをとり、BBR板と噴流の連成を確認した。なお、BBR板がない場合に関しての沸騰音に関して深層学習を用いて沸騰容器内の系を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カメラを用いたPIV計測法によるBBR近傍での流体の挙動の把握による計測法の確立し,実際に BBR 近傍から噴出した沸騰気泡の運動からも共振が確認された.したがって,BBRの振動周波数を沸騰気泡の凝縮サイクルに合わせることが,BBR の独自の設計仕様として重要であることが分かった.濡れ性が異なる場合の挙動について観察できた。さらにBBR板がない場合に深層学習を用いて音からの情報で沸騰容器内の系を同定するツールを開発した。
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今後の研究の推進方策 |
BBR近傍の噴流についての挙動と同時にBBR裏面の構造を作製して次年度の計測の準備を完了させた。さらに次年度は実験計測このBBR板をいれた系に関して沸騰音を用いた深層学習を行い、CHF向上の最適な条件を見出す予定である。
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