研究課題/領域番号 |
22K03975
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 石川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
義岡 秀晃 石川工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (80259845)
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研究分担者 |
経田 僚昭 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50579729)
八賀 正司 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (80123305)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 融解凝固 / 材料製造 / 組織制御 / 超音波 / 結晶成長 / マイクロ・ナノ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、多様な環境材料の高性能・高機能化を目指し、バルク体において凝固相に方向特性を有するマイクロ・ナノ構造を発現させるための新規手法を追究する。はじめに、超音波発信系を備えた凝固システムを構築し、透光性の溶液等を供試した動的凝固の可視化実験を行い、超音波を付与した凝固による結晶パターン形成と方向特性の発現の機序を明らかとする。次に、実用合金等を供試した材料製造実験を行い、得られた試料に対して結晶構造解析を実施し、超音波付与による分子スケール配向特性への効果を立証する。最終的には、超音波によるアクティブ凝固制御の最適化法を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究は、液固相変化に伴う結晶の成長とパターン形成を、超音波定在波の音響放射圧による力を利用してアクティブに制御するための手法を追究するものである。前年度に引き続き、動的凝固プロセスをその場観察できる透光溶液(純水,食塩水など)を用いたシミュレーション凝固実験を行い、超音波による定在波が過冷却崩壊後の固液共存域におけるデンドライト氷晶に及ぼす影響を調査した。さらに、本申請課題が提案するアクティブ凝固制御法を実際の材料製造等で現れる高温場に適用することを目指し、カーボン粒子を混入したパラフィンを供試した凝固実験を行った。本年度で得られた主な成果を以下に示す。 (1)試料内温度が凝固温度付近で定常かつ均一になるまでまず徐冷し、次いで試料片側を急速冷却する2段階冷却操作法を採用することにより、超音波による定在波の音響放射力を利用して、過冷却によって生成される自由デンドライト結晶を能動的に規則周期配列させることに成功した。 (2)結晶群の規則周期配列は超音波定在波の影響が及ぶ範囲で観測され、その配列間隔は試料中の定在波の半波長に一致することが明らかとされた。 (3)成長する結晶の間隔が投入超音波の半波長を超える領域では定在波による再配列は観測されなかった。成長間隔が超音波の半波長を超える場合には音響放射力によって結晶を分断させる必要があり、そのための十分な音響パワーが与えられなかったことが主な要因と考えられる。 (4)凝固後の材料の異方性評価を行うことを目的に実験装置を設計・製作し、パラフィンを供試した凝固実験を行なった。パラフィンに炭素粉末を添加し、超音波を発振させることで炭素粉末を配列させ、周波数に応じた配列間隔の違いを確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画の通り、比較的低融点の水溶液を用いたモデル実験を行い、超音波定在波によって氷結晶が規則的に周期配列する現象を捉えることができた。また、本研究が提案するアクティブ凝固制御法の適用範囲を、より高温側に拡張するための実験を遂行中であり、液体中の固体粒子の配列制御を周波数選択によって実現できることが検証された。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに、本提案手法により、組織レベルで結晶形態が再配列する現象を確認している。今後は、さらに分子原子レベルの結晶構造の配向制御への発展の可能性を追究することが、現象の解明と併せて今後の課題となる.技術的には本研究による超音波送受信システムをさらに高温環境に適用し、合金系を供試した異方性材料製造への応用を推進する。
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