研究課題/領域番号 |
22K03995
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
平元 和彦 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00261652)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 振動制御 / 予見型制御 / リアルタイム地震観測網 / 適応フィルタ / 予見制御 / 防災,減災 / 波形推定 / 学習,適応 |
研究開始時の研究の概要 |
リアルタイム地震観測網の情報を活用した構造系の振動制御において,制御性能をより向上させるため,以下の手順で研究を行う. 【令和4年度】サブゴール1)「複数観測サイトの空間的多チャンネル化による制御系の頑健化」,サブゴール2)「推定アルゴリズムアンサンブル化」に取り組む. 【令和5年度】サブゴール2)の続き, およびサブゴール3)「予見制御への適応機能付加」に関する研究を行う.下半期からは,サブゴール1)-3)の成果を統合したときの制御系全体の性能の改善について検証する. 【令和6年度】サブゴール1)~3)の成果の統合に引き続き取り組み,研究の総括を行う.
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研究実績の概要 |
強震モニタのようなリアルタイム地震観測網からの波形伝送を前提とし,伝送された波形データを用いた予見型の構造振動制御系設計について研究を行った. 今年度は,未知の地震波に対しても予見型制御系が高い振動抑制性能を発揮することを目標として,遠隔地観測データを元に構造系に到達する地震未来波形の推定のために,逐次的に係数が更新される適応フィルタを採用した.現在まで,過去の研究成果で採用されている人工ニューラルネットワーク(ANN)[1]に匹敵する性能は得られていないが,記録地震波を用いて学習したANNでは,未知の地震波の推定精度がANNの氾化能力に大きく依存するため,未知地震波に対する制御性能の確保が困難になる可能性がある.一方,適応フィルタを用いた推定では,入力されるすべての遠隔地地震波に対し到達地震波の1ステップ未来値の推定誤差の二乗(LMS手法を用いた場合)を最小化するため,様々な時間・周波数特性を持つ地震波に対して良好な精度で波形推定が行えることが期待される.現在も適応フィルタの構成や推定波形に基づく予見型制御についての検討を継続している. [1] K. Hiramoto, T. Matsuoka, Active vibration control of structural systems with a preview of a future seismic waveform generated by remote waveform observation data and an artificial intelligence based waveform estimation system,Journal of Vibration and Control, vol. 26, issue 17-78 (2020).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
適応フィルタの構成やそのアンサンブル化を検討したが,現在まで必ずしも良好な性能が得られていないため,現状では当初計画からやや遅れている. なお,本研究に関連する成果としては,路面形状のカメラによる形状取得を前提とした未来情報を用いたセミアクティブサスペンションの制御系設計,慣性質量ダンパ(IMD)を用いた配管システムの振動制御系の最適設計および慣性質量を可変としたIMD機構の提案とその構造振動制御への応用についての成果が得られた.
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今後の研究の推進方策 |
これまで得られた知見を元に,未来波形推定のための適応フィルタの構成や,複数のフィルタを用いたアンサンブル推定に関する検討をさらに進める.さらに,予見型制御においても予見ステップ数を可変とするなどの工夫を行い,より高い制御性能を様々な特性を持つ地震波に対して発揮できるような制御系設計を目指す.
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