研究課題/領域番号 |
22K04012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
李 在勲 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (00554411)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 両脚関節角度推定 / ウェアラブルセンサ / 慣性センサ / 足底圧センサ / 歩行ロボット / Human Robot Interaction / Human Locomotion / Motion Estimation / Artificial Intelligence / Biped Robot |
研究開始時の研究の概要 |
人間の歩行運動は、脳の命令信号だけでなく脊髄の運動発生器(CPG: Central Pattern Generator)による両脚の制御で行われ、成長とともに形成された習慣的な動作パターンを持つ。本研究では、腰部に装着した慣性センサからの計測データのみで両脚の動作を実時間で推定する人工知能アルゴリズムを提案する。また、歩行運動の特徴をパラメタ化する方法を用いて、特定パターンの歩行動作を生成するアルゴリズムを開発し、さらに歩行ロボットの制御へ活用する方法を模索する。これは脊髄の運動発生器の役割を、歩行運動の計測データを基に解明し人工知能で再現しようとする新しい試みである。
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研究実績の概要 |
昨年度に開発した下半身に着用した単一慣性センサからのデータで歩行動作中の両脚関節角度を推定するアルゴリズムをさらに発展させた。まず、定常歩行動作だけでなく、横歩き、後歩き、斜面歩行、ジグザグ経路の歩行動作に対して、下半身に着用した単一慣性センサからのデータで両脚関節角度を推定するアルゴリズムを開発した。下半身に着用した単一慣性センサのみで両脚関節角度を推定する技術について、安価な慣性センサでも推定精度が少し劣るもののほぼ同じ推定性能が得られることが確認された。また、65歳以上の高齢者23人の被験者に対して歩行動作データを収集する実験を行い、その動作データについて開発したアルゴリズムを適用して、単一慣性センサで両脚関節角度を推定することが可能であることが明らかになった。 人間の腰部に着用した慣性センサデータで仮想空間にある二足ロボットの歩行動作を制御するHRI(Human Robot Interaction)アルゴリズムを開発した。人間の歩行動作に対する特徴量を抽出して、さらにその特徴量から両足の動作を生成する方法を提案した。 両足の足底圧センサデータから歩行動作中に両脚関節角度を推定するアルゴリズムを開発し、タブレット端末を用いて実時間で推定するアプリケーションソフトウェアを作成した。 歩行ロボットについては、6個のアクチュエータからなる実験機を作成した。また、計算機シミュレーション環境を構築して作成した実験機の計算モデルに対する歩行シミュレーションを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ウェアラブルセンサを用いて両脚の関節角度を推定する技術について、下半身に着用した1個のみの慣性センサを用いた両脚関節角度推定が実現できた。さらに、定常歩行だけでなく、様々な歩行動作へ発展し、高齢者の歩行動作まで適用できた。また、人間の歩行動作における特徴量を単一慣性センサから抽出し、仮想空間にある二足歩行ロボットを制御するHRI(Human Robot Interaction)まで可能となったので、当初の計画以上に進展している状況である。
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今後の研究の推進方策 |
人間の歩行動作に対する両脚関節角度推定アルゴリズムをさらに発展させて、高齢者や歩行障害者の歩行動作に対する動作推定アルゴリズムを開発する。 さらに、人間の歩行動作に対するデータ収集を行い、腰部の動きから歩行運動のパラメータを推定する方法を開発して、人間の歩行動作における評価方法を模索する。また、切断や神経疾患などで片足動作の障害者のための義足を制御する人工知能アルゴリズムを開発する。腰部の動作から両脚関節角度を推定するアルゴリズムを用いて自然な歩行動作を実現するために義足関節を制御する方法を開発する。 前年度作成した二足歩行ロボット実験機について、計算機シミュレーションの結果を適用させて歩行実験を行う。また、実験結果を基に実験機と制御アルゴリズムを改良し完成度を高める。
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