研究課題/領域番号 |
22K04019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
満田 隆 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (30335591)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ソフトロボット / 可変剛性 / 固定具 / 梱包 / ロボット |
研究開始時の研究の概要 |
さまざまな大きさや形状の物体を隙間なく覆い、その形状を保持する固定具が必要とされている。本研究は、物体を隙間なく覆う際に必要な固定具の伸縮性と、引張剛性と物体への押し付け力の関係を理論と実験の両面から求める。そして、空気圧によって剛性を調節できる可変剛性要素を用いて、物体を隙間なく覆ったのちに硬化し、物体形状を保持できる固定具を開発する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、物体を隙間なく覆ったのちに硬化する固定具の開発とその理論的解析である。2022年度は、内部の空気を抜くことで収縮し、物体に巻き付くリング形状のグリッパ(ゴムバンドグリッパ)について、隙間なく巻き付くことができる物体の大きさ、形状、位置を理論的に解析し、実験による検証を行った。その結果、ゴムバンドグリッパは、さまざまな大きさ、形状の物体に隙間なく巻き付けることが示された。また、物体の位置が異なる場合にも巻き付けることが示された。これらの研究成果は、学術誌Journal of Robotics and Mechatronicsに論文として発表した。また、ゴムバンドグリッパをロボットアームに固定するための機構を開発し、柔軟物の把持、重量物の把持、トルクを必要とする把持物体の回転が一つの機構で実現できるようにした。また、グリッパの収縮を調節することで、豆腐を壊さずに持ち上げられることを実験で示した。さらに、ゴムバンドグリッパの構造を基に、縦方向と横方向の両方に伸縮できる板状の収縮機構を開発し、それを用いた箱型の自動梱包機構を開発した。板状の収縮機構は、物体の梱包だけでなく、ロボットのアクチュエータとしても利用できると考えられる。これらの成果は2023年6月28日より開催される日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会(Robomec)で発表する。さらに、織物を積層した可変剛性シートが曲面を隙間なく覆うために必要な伸縮率を理論的に解析し、実験により検証した。本成果は学術誌に投稿し、査読中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ロボットハンドのように物体を自動的に覆い、その形状を保持する固定具の開発は順調に進んでいる。また、手作業で物体を覆う固定具(織物を積層した可変剛性シート)に関して、物体上部から下方向にシートを押し付けて物体を覆う場合に、皴が生じる条件の理論的な解析と実験による検証を行うことができた。「研究実績の概要」欄に記したように、いずれも研究成果として発表済、または発表予定である。 また、物体を覆った際の隙間の計測が技術的に難しい問題があったが、X線CTによる計測を試みた結果、隙間の形状が計測できるだけでなく、これまで未知であった固定具内部の収縮状態を計測できることがわかった。固定具の内部構造を観測は、性能を向上させるための構造改善や機械特性のモデル構築に役立てられると考えられるため、今後はX線CT装置を研究室に導入して研究を進める。
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今後の研究の推進方策 |
工業用X線CTを用いて、固定具の物体への巻き付き状態と、巻き付き時の固定具の内部構造の調査を行いながら、より性能の高い固定具の開発に取り組む。2023年度の研究計画を以下に列挙する。 1.対象物体形状に応じて収縮率を変えることで隙間なく覆う固定具の開発 2.2022年度に開発した箱型の自動梱包機構が巻きつける物体の形状と大きさの範囲の拡大 3.織物を積層した可変剛性シートが曲面を覆う際に必要な引っ張り力と押しつけ力の計測、および、内部構造を変えることによる高い伸縮性と大きな剛性の実現
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