研究課題/領域番号 |
22K04026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小林 俊一 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (50225512)
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研究分担者 |
渡辺 昌俊 長野工業高等専門学校, 機械ロボティクス系, 教授 (00806242)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | バイオメカニクス / バイオミメティクス / イルカ / 生物規範型ロボット / 水中推進 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、イルカの立ち泳ぎのメカニズムを筋骨格系から考慮した力学的な解析によるアプローチで解明し、水族館など、イルカを飼育する環境でのトレーニングや健康管理に寄与する資料を提供する。また、解明した立ち泳ぎのメカニズムを、イルカの尾びれを規範としたフィンによる水中推進機構に技術的に移転させ、高推力化を実現させる。 このために、イルカの立ち泳ぎにおける流体力の解析、イルカの筋骨格系のモデル化、イルカ筋骨格系における逆動力学解析、水中推進機構開発のためのイルカ筋骨格系からの移転技術の抽出、水中推進機構の開発・推力と挙動の評価について、段階的に実施していく。
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研究実績の概要 |
水棲生物の中でもイルカの運動能力は高く、胴体を水上に持ち上げる立ち泳ぎができる。しかし、その立ち泳ぎの力学的な解析はまだ検討されておらず、どのようにしてイルカは立ち泳ぎを実現しているのかが十分に明らかにされていない。特に、解剖学的な視点からはない。 そこで、本研究課題では、イルカの立ち泳ぎにおける筋骨格系のモデル化を行い、その逆動力学解析によって、イルカ筋骨格系の力学的状態を加えた、より総合的な立ち泳ぎのメカニズムを明らかにする。これにより、水族館など、イルカを飼育する環境でのトレーニングや健康管理に参考となる資料を提供する。さらに、解明した立ち泳ぎのメカニズムを、イルカの尾びれを規範としたフィンによる水中推進機構に技術的に移転させ、高推力化を実現させる。これにより生物規範型の水中推進機構に、単なる遊泳だけでなく、推力向上による水中における物体の保持、物体の水上へのリフトアップ技術などの実現といった、新たな動作タスクの創出につなげる。 2023年度は、カマイルカが胴体を捻りながら回転して立ち泳ぎをする際の動作解析と、立ち泳ぎにおけるイルカの尾びれ周りの数値流体計算を行った。次に、イルカの解剖学の研究報告や骨格標本からイルカの筋骨格系のモデル化を行い、その筋骨格系の逆動力学解析を、筋骨格モデル機構解析システム(AnyBody)を用いて行った。その最初のアプローチとして、立ち泳ぎの前に比較的解析が容易なイルカの水平遊泳について行い、水平遊泳の動作解析結果と数値流体計算によるイルカにかかる流体力を用いて、筋骨格系の逆動力学解析を行った。これより、推力発生につながる筋肉の発生力や腱にかかる力を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
イルカの尾びれ周りの数値流体計算に関して、カマイルカがその場で立ち泳ぎをする「静止立ち泳ぎ」におけるイルカの動きの時系列データを用い、3次元測定されたイルカ形状モデルで行う予定であった。しかし、その計算モデルの構築が困難であったために遅れてしまい、まずは簡便化した尾びれのモデルでの数値計算結果を得ることににとどまったことにある。それに伴い、イルカの「静止立ち泳ぎ」における筋骨格系の逆動力学解析を行うことができず、比較的解析が容易な「水平遊泳」における数値流体計算によるイルカにかかる流体力の結果を用い、筋骨格系の逆動力学解析を行った。ただし、水平遊泳での筋骨格系の逆動力学解析は重要であり、今後の静止立ち泳ぎにおける解析の基礎となったので、有意義な結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
1.イルカの立ち泳ぎにおける流体力の解析: イルカの静止立ち泳ぎにおける動作解析データとイルカの3次元形状から数値流体計算を行い、イルカの尾びれにかかる流体力を解析する。この際、尾びれの変形の時系列データも含めて計算して解析し、変形の効果も評価する。 2.イルカの立ち泳ぎにおける筋骨格系の逆動力学解析: イルカの立ち泳ぎにおける動作解析データと、数値流体計算によって得られたイルカにかかる流体力を用いて、イルカ筋骨格系における逆動力学解析を行う。その際、筋肉を包み込む強靱な皮下結合組織鞘も弾性変形も考慮する。これらの結果から、イルカを飼育する環境においてトレーニングや健康管理のために寄与するデータを得る。 3.水中推進機構の開発: 逆動力学解析の結果から、イルカの筋肉骨格系を模した生物規範型の水中推進機構に移転できる構成を見出し、高推力化を実現する水中推進機構を設計、開発する。弾性エネルギの蓄積と解放を利用するためのアクチュエータと3次元プリンタで成形した骨格モデル、皮下結合組織鞘を再現する円錐ばね状の弾性体で構成させ、水中で動作させて推力の評価を行う。
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