研究課題/領域番号 |
22K04028
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
弓場井 一裕 三重大学, 工学研究科, 教授 (10324542)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | データ駆動型制御器設計法 / T-Sファジィシステム / 2自由度ロボットマニピュレータ / データ駆動制御 / T-Sファジイシステム / ロボットマニピュレータ / 非線形システム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではロボットマニピュレータの制御に着目し,その制御則の導出を,ロボットマニピュレータから得られるデータであるセンサ情報に基づいて構築することを目指す。従来のデータ駆動型制御器設計法に関する研究は線形システムを想定しており,ロボットマニピュレータのような非線形システムへの適用はこれまで取り組まれていなかった。本研究の成果により,データ駆動型制御器設計法がロボットマニピュレータのような非線形システムへ拡張されれば,より実用性の高い設計法として産業への貢献が期待できる。
|
研究実績の概要 |
2022年度は研究目的を達成するための基本となるT-Sファジィシステムについての基礎的な調査を行った。T-Sファジィシステムの表現能力について調査を行った。特に,本研究の対象としている非線形システムである2自由度ロボットマニピュレータの動特性を表現可能かどうかの確認を行った。確認は,MATLABと呼ばれる数値演算CAD上で行った。本研究では非線形なシステムである2自由度ロボットマニピュレータを制御するための制御器を,制御対象である2自由度ロボットマニピュレータから得られる入出力データから直接設計できるかどうか,データ駆動型制御器設計法の考え方を用いて検討していく。そのため,データ駆動型制御器設計法における非線形システムへの応用についても調査・検討を行っている。 特に,T-Sファジィシステムでは前件部と後件部があり,複数の条件においてシステムを切り替えるため,これらの条件を適切に推定可能かどうかが重要な問題となると考えられる。また,提案手法の検証を行うための実験システムの構築も並行して行った。現在は,ファジィシステムの前件部・後件部の同定を行うための調査・検討を行っている。また,最終的な目的は2自由度ロボットマニピュレータを制御するための制御器の設計を,制御対象である2自由度マニピュレータから得られる入力・出力から設計することにあるため,2自由度マニピュレータの制御がT-Sファジィシステムで可能かどうかの確認を行っている。また,実験システムは実時間制御が可能なOSであるART-Linux上で構築することを検討しており,現在,入出力部のプログラムの準備は完了している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は半導体不足の影響により,物品の調達に支障を来している。ロボットマニピュレータを構成するモータやそれを駆動するモータドライバはもちろん,ロボットマニピュレータを制御するための入出力ボードやモータのエンコーダ変位を計測するカウンタボードの製造が遅れており,実験システムの構築に必要なパーツが揃わず,実験装置の準備という点においては研究計画の進行が遅れている。これらの物品について2023年度には早々に発注し,実験システムの構築を行っていく予定である。その代わり,実験システムを構築するソフトウェア面での開発を進めており,ロボットマニピュレータの入出力データの取得や保存など,実験システム構築後に直ちに実験が行える準備を進めている。理論的な検討については,当初の計画通り2022年度はT-Sファジィシステムについての調査・検討を行っており,予定通り進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗でも記述した通り,半導体不足の影響により,実験システムである2自由度マニピュレータの構築が遅れているため,物品の調達を早々に行い,実験システムの構築を行う。並行して,数値演算CADであるMATLAB上で2自由度ロボットマニピュレータを構築し,得られる入出力データから2自由度ロボットマニピュレータの動特性を,T-Sファジィシステムとして同定できるかどうか確認を行う。特に,前件部と後件部を適切に同定可能かどうか,先行研究の調査と数値シミュレーションにより確認していく。実験システムが構築できた後,これらの数値シミュレーションを実験システムより得られるデータにより行い,実際にT-Sファジィシステムとして同定可能かどうかの確認を行う。
|