研究課題/領域番号 |
22K04032
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
熊谷 正朗 東北学院大学, 工学部, 教授 (70323045)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 玉乗りロボット / 周波数応答 / 外乱 / 加振機 / 倒立振子 / 外乱応答 / 平面加振機 / ロバストさ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、玉乗り型ロボットの床面の揺れに対する応答を測定することである。 代表者らが開発したロボットは、床面の揺れに強く、物を上に乗せてもバランスが崩れない強さがあるが、ある周期で揺すると落ちやすいということが実験的経験的に判明している。これを性能測定することで、その強さの理由、および弱点の克服が可能かを検討することが第一の目的である。 また、人が乗ったときにいかにロボットと協調してバランスや移動の制御するかについても測定を通して明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
本課題は玉乗りロボットの床面加振による応答特性を実機測定することを目的としている。代表者らが開発した玉乗りロボット(3個以上の全方向移動ロボット用車輪による球駆動)は全方向への移動性を有し、定性的な評価では地震のような振動にも耐えることを確認していた。近年では移動ロボットの移動機構として採用される例も見られる。一方で倒立振子制御は共振的特性が見られ、それに合致する周波数での加振では振動が大きくなり転倒につながる。特に水平面方向に円状に外乱を加えた場合にその影響が大きいことが判明していた。また、玉乗りロボットの応用機を開発する中で、人が搭乗できるものについては、人が自然に倒立振子制御の一部をになうことが確認できていた。 以上のことから、ロボットの周期的な外乱応答、言い替えれば周波数応答の直接的な測定を本研究の目的とした。外乱には様々なものがあるが、本課題では外的に与えやすく定量化の見込める、床面の並進と旋回(平面全方位性3自由度)の加振で行う。これにより特性を明らかにするとともにロボット側の制御則で対策可能かの検討を行う。また、実機を通してロボットのみと人に位置制御を委ねた搭乗機の違いを比較する。 この目的のため、3年計画の初年度は駆動系の基礎的検討から取り組んだが、その後半からの大学のキャンパス引越および全学的な教育課程の変更への対応(学内役職)で研究活動が停止し、本報告にかかる2年度目も研究環境の再整備や学内業務のために装置の開発を進めることができていない(設計前の要素検証にとどまる)。よって、補助事業期間延長承認申請の手続きを行い、期間を4年間として、まずは加振機の開発と初期の計測の実施、および計測の定量化と複数対象の特性比較やロボット制御系の改良等に取り組む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度後半に大学のキャンパス引越があり、主たる研究機材(研究室設備)の運び込みは年度内に完了したものの、その後も追加での輸送や、開梱、セットアップに想定を遙かに超える時間を要し(まだ未完了)、学生の教育指導にかかる事項を優先した。 また、キャンパス移転とともに新学部設立、全学的な新課程が開始したが、上位役職者が交代となるなかで学務部副部長として留任したこともあって、本年度の相当時間を大学の教育運営に割くこととなった。 以上のことから、装置開発に必要なまとまった時間を確保できず、設計に必要な基礎要素事項の検討・検証にとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
進捗の理由にも記載の通り、23年度は業務状況のためにほぼ研究計画が停止した状態であったため、本来は22~24年度の3年間の計画であったが、補助事業期間延長承認申請書を提出し、4年間として実施する。 概ね、本課題の中心となる加振装置の要素については検討ができており、24年度に設計試作を行い、並進と旋回の3自由度の加振装置を実装する。実際にロボットの加振をしながらの加振機の性能向上の改良を進め、初期の応答測定結果は得る予定である。また、定量性を得るための力覚センサや加速度センサの追加、およびそれらの総合的評価方法の検討を始める。 25年度には、搭乗した人間を含む応答特性の評価や、本研究のきっかけとなった疑問である「なぜ円を描くような外乱で不安定化しやすいか」の検討と、倒立振子制御側での対処方法の研究う計画である。
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