研究課題/領域番号 |
22K04037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 旭川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
阿部 晶 旭川工業高等専門学校, システム制御情報工学科, 教授 (30313729)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 柔軟マニピュレータ / 圧電フィルム / 高速位置決め / フィードフォワード制御 / 省エネルギー / 高速位置決め制御 / 振動制御 / 運動生成法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,高次振動モードをも励起する柔軟マニピュレータの高速位置決め制御に対して,アクチュエータの冗長性を活用した新たな省エネルギー振動制御法の確立を試みる.この冗長性とは,モータに加えて柔軟マニピュレータに圧電フィルムを貼付してこれをアクチュエータとして用いることである.冗長性の活用として,サーボモータによる旋回運動と貼付された圧電フィルムによる変形を巧みに相互作用させ,飛躍的な省エネルギー化が図られるフィードフォワード高速位置決め制御の可能性を探る.
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研究実績の概要 |
本研究では,高次振動モードをも励起する柔軟マニピュレータの高速位置決め制御に対して,アクチュエータの冗長性を活用した新たな省エネルギー振動制御法の確立を試みる.この冗長性とは,モータに加えて柔軟マニピュレータに圧電フィルムを貼付してこれをアクチュエータとして用いることである.冗長性の活用として,サーボモータによる旋回運動と貼付された圧電フィルムによる変形を巧みに相互作用させ,飛躍的な省エネルギー化が図られるフィードフォワード高速位置決め制御の可能性を探ることが本研究の目的である.2022年度の研究実績は以下のとおりである. 先行研究での柔軟マニピュレータの高速位置決め制御において,1次と2次振動モードからなる残留振動を抑制するために運動方程式を必要としてきた.しかしながらこの手法では,制御対象の高精度な数学モデルが必要となる.そこで,簡便に振動制御を実現するために,固有振動数のみを用いた柔軟マニピュレータのフィードフォワード振動制御法を新たに提案した.この手法において,マニピュレータの旋回軌道をサイクロイド関数とべき級数の結合で表現した.この場合,旋回軌道はべき級数の係数に依存し,残留振動が抑制されるようこの係数をチューニングする必要がある.そこで,固有角振動数に基づく線形不減衰系の残留振動抑制条件を満たすよう粒子群最適化を用いてこの係数をチューニングし,旋回軌道を生成させた.この手法の妥当性を検証するためにシミュレーション及びモデル実験を実施し,1次振動のみならず2次振動モードをも抑制することを明らかとした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は2次振動モードが励起される高速位置決めに対して新たなフィードフォワード振動制御法を確立することができた.一方,圧電フィルムを貼付した柔軟マニピュレータに対するこの手法の検討は現時点では行っていない.ゆえに,アクチュエータの冗長性の活用という観点からの研究を進める必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度では,圧電フィルムが貼付された1リンク柔軟マニピュレータの実験装置を製作する.そして,理論解析ならびにモデル実験の両面からその数学モデルを構築する.ここで,圧電フィルムが1次及び2次振動モードに及ぼす影響を詳細に検討する.次いで,2022年度に確立した固有角振動数に基づくフィード―フォワード制御法を製作した実験装置に適用し,アクチュエータの冗長性の活用法の確立を目指す.
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