研究課題/領域番号 |
22K04038
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 新潟工科大学 |
研究代表者 |
池田 英俊 新潟工科大学, 工学部, 准教授 (30390438)
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研究分担者 |
佐藤 圭祐 富山高等専門学校, その他部局等, 教授 (30196232)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ロボットハンド / マニピュレータ / つまみ / 本棚 / Robot hand / Foldable mechanism / Handling |
研究開始時の研究の概要 |
生活支援ロボットには複数のフィンガをもつ「多指ハンド」が搭載されることが多く,その高機能化には,指と駆動関節数(モータの数,自由度)の増設が必要となる.しかし,それは構造の複雑化を招き,その割には作業能力の向上が見込めないシステムとなりがちである.この点こそが生活支援ロボットの普及を妨げている最大要因の一つであり,早急に対策を講ずべき問題点である.本申請では,少自由度の折りたたみ型ハンドを用いて,作業時に適切に変形させ,人間はほとんど使用しない指の裏や側面も積極的に利用することで,少ないモータ数で「巧みな動作」を実現する,新しい概念に基づく多指ハンドの構成論を示し,その実現理論を解明する.
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研究実績の概要 |
本棚からのファイル取り出し動作:提案したハンド機構の側面にスイッチセンサを装備した「Claw Mechanism(爪機構)」を3Dプリンタで作成し,その機構を用いて疑似的な曲線軌道の生成と,ファイル取り出しを実行する手法を提案し,実験によりその有効性を示した.また,成功率の計測を行い,一定の条件下で作業失敗(ファイルからの爪機構のはずれ)が生じることを解明した.さらに失敗原因を追究し,作業遂行が失敗するのはマニピュレータの上腕リンク速度と機構部の振動に起因するものであるとの仮説をたて,爪機構にコンプライアンス性を追加し,成功率の飛躍的な向上を示すことで正当性を立証した.さらに,作業失敗時に動作をやり直す制御システムも新規構築し,実験によりその有効性を示した. 高精度ハンドリンクの実現:一般的にロボットハンドが苦手とする円筒物体を対象とした制御システムの構築とハンドリング実験を行った.本ハンド機構は小物体に対してはフィンガをハサミ状に変化させ「つまむ」という動作を行うが,その際,様々な因子により円筒物体がハンド前方へと飛び出すことがある.そこで,理論解析を行い,その把持限界を解明し,実験により成功率計測を行った.それらの結果よりロボットが「つまむ」というハンドリングが不可能だと判断した場合,物体を「つかむ」形へと再度,ハンド機構を変形させ,タスクを実行する制御システムを構築し,効果を示した. ページめくり:フィンガ表面に貼付した安価なフィルムセンサを用いたページめくりを行う制御システムを構築し,実験を行った.その結果,ハンドの動作により変形が可能な紙質の冊子においてはページめくりが可能であることを示した. 物体拾い上げ:様々な物体を対象として,左右のフィンガを箒とちり取りに見立てた動作で拾い上げるハンドリングを提案し,理論解析と制御システムの構築を行い,実験により有効性を示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の課題に関して,十分な成果がでていると考えている.また,得られた成果は査読付き論文や学術講演会での発表を行っている.
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今後の研究の推進方策 |
様々なケースを想定した実験を繰り返す予定である.特に成功率の計測により,失敗時の原因解明と改善により完成度の向上をはかる.
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