研究課題/領域番号 |
22K04039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
祖田 直也 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (80323210)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ナノ結晶軟磁性材料 / 積層鉄心 / ベクトル磁気特性 / 鉄損 / 小型モータ / 高効率 |
研究開始時の研究の概要 |
重量物運搬用ドローンや産業ロボット用のモータは,高効率・高出力密度である事が望ましい。小型モータの高出力密度化を行うためには多極化や高速化が必要となる。そこで高周波励磁下において有効である次世代ナノ結晶軟磁性薄帯NANOMETを小型モータ鉄心材料として用いることにした。しかしながらNANOMETは応力感受性が高く積層鉄心加工後は残留応力により磁気特性が劣化するため,積層後におけるNANOMETの磁気特性評価が重要である。本研究はベクトル磁気測定技術によるNANOMET積層鉄心の詳細な磁気特性評価およびNANOMETの磁気特性を有効活用できる小型モータの高効率・高出力密度化設計法の確立を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の課題は,ベクトル磁気特性技術を用いて次世代ナノ結晶軟磁性材料「NANOMET」を活用した高効率・高出力密度小型モータの開発技術を構築することを目的とする。NANOMETは板厚25μmと非常に薄くうず電流損の低減効果が高いだけでなく,飽和磁束密度が高いため高効率・高出力密度小型モータの鉄心として有用であると考える。しかしながらNANOMETは応力感受性が高く,積層鉄心加工後は残留応力により磁気特性が劣化する。そのためNANOMET薄帯の磁気特性評価だけでなく積層鉄心としての磁気特性評価が重要である。そこで2022年度は板厚0.5mmに積層されたベクトル磁気特性測定用のNANOMET試料を製作し,その積層試料のベクトル磁気特性の測定を行った。積層NANOMETはロール方向を揃えた試料と回し積みした試料の2種類を製作した。なおベクトル磁気特性は高精度ゆえに測定データ数も膨大なため各種磁束密度条件下における積層NANOMETの測定は完了しておらず2023年度も引き続き測定を行う。また本研究で開発する小型モータは,NANOMETの磁気特性を最大限に活かしたモータ構造にする必要がある。そこで積層NANOMETの磁気特性への影響調査と平行して,小型モータの構造および寸法等の検討を行い,小型モータの予備解析を行った。NANOMETのベクトル磁気特性に関する研究成果は,2022年11月のMAGDAコンファレンス(鹿児島)や2022年12月の電気学会東京支部茨城支所研究発表会で発表した。以上が,2022年度の研究実績の概要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は,ベクトル磁気特性測定用の板厚0.5mmの積層NANOMET試料を製作し,そのベクトル磁気特性の測定を行った。ベクトル磁気特性は高精度ゆえに測定データ数も膨大なため,各種磁束密度条件下における測定を行うためには半年近くの期間を要するが,さらに年度の途中でベクトル磁気測定装置に使用しているPCが壊れて測定出来ない期間があった。現在はPCを交換し修復が完了したため測定できる状況であるが,この影響で積層NANOMETのベクトル磁気特性調査に遅れが生じてしまった。2023年度も引き続き測定を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
積層NANOMET試料のベクトル磁気特性の測定および評価が完了していないため,これを早急に完了させる。また,積層NANOMET試料のベクトル磁気特性データベースが完了しなければ小型モータのベクトル磁気特性解析が出来ず,小型モータの詳細な鉄損評価を行えない。そこで,既に測定済みであるNANOMETの初期磁化曲線を用いることにより小型モータの解析を進めて行くことにする。
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