• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

SiCを用いた電力変換器を複数台設置した伝導性ノイズ重畳・干渉シミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 22K04043
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分21010:電力工学関連
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

北川 亘  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30581805)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード伝導ノイズ / モデリング / 電力変換器 / シミュレーション / EMI
研究開始時の研究の概要

近年,高速スイッチング,高耐圧,低損失を実現するSiCやGaNパワーデバイスが普及し始めている。さらに,インバータを複数台搭載する状況が増えており,そのノイズの重畳や干渉が問題となっている。そこで本研究では,この複数台の電力変換機による重畳・干渉ノイズ高周波モデリングしてシミュレーションを確立することで,そのノイズ経路の探索や,配置最適化,また重畳・干渉を考慮したノイズ低減対策のためのフィルタ開発のカットアンドトライのコストを削減するとともに,その設計やノイズの経路探索が可能なシミュレータを開発する。

研究実績の概要

本研究課題における2023年度の実績として,以下,3点に関する研究結果が得られた。
1,2つの電力変換器の位置関係によるEMIノイズの変化
2,位置関係の違いによるモデリング
3,Q値を用いたGA(遺伝的アルゴリズム)によるモデリング
1については,ノイズの重畳を考慮したシミュレーションモデリングおよびGAを用いたシミュレーションの簡易化・高精度化について研究を行った。従来手法では手作業でR,L,Cのパラメータを漏れ電流のFFT解析より複数の共振点から電流の重ね合わせを行い,複雑な減衰振動を模擬していたが,昨年度での実施により,GA(遺伝的アルゴリズム)を用いることにより,R,L,Cのパラメータを決定することで,重畳・干渉のモデリングを可能とした。本年度では,2つの電力変換器の位置関係により,その伝導ノイズがどのように変動していくかを測定した。その結果,位置関係によりノイズによる共振周波数が変化する点があることがわかり,これは2つの電力変換器間での浮遊容量の変化に依存していることがわかった。この結果から,2にある位置関係の違いによるモデリング方法を提案した。これまでのノイズ重畳・干渉に関するモデリング方法は,2つの電力変換器をまとめてブラックボックスとしてモデリングしていたが,提案手法では,それぞれの電力変換器をモデリングした上でその間を浮遊容量で接続することで,よりモデリングを簡単に且つ原理原則に基づいたモデリングを行うことを可能にした。また,3については,これまで目的関数としてノイズの共振点における振幅での最小二乗値をとってきたが,本提案手法ではQ値を目的関数として取り上げることで,各遺伝子におけるノイズの共振点をシミュレーションすることなくQ値の計算のみだけで最適パラメータを出力できる事が可能となった。この手法を用いることで,従来法に比べ同等の精度を持ち,解析時間は0.001%の時間で,GAを完了させることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要にある通り,3つの結果を挙げているが,以下に関しての課題が残るため,概ね順調という状況である。
1,Q値によるモデリング精度の向上
本研究では,GAを用いたモデリングにおいて,目的関数をノイズの共振点における振幅での最小二乗値からQ値における計算による最小二乗値とすることで大幅な計算速度およびコストの削減を可能としたが,精度においては10%程度の誤差が存在するため,この精度を向上させる必要がある。
2,3台以上での電力変換器による重畳・干渉のモデリング実現
2台の電力変換器においては,その位置関係において伝導ノイズがどのように変化し,その変化をモデリングすることを可能としたが,実際の機器では,2台のみならず3台以上の電力変換器が同じ筐体に載ることは少なくない。従って,3台以上での電力変換器によるノイズの重畳・干渉がどのように起こるか,またどのようにノイズが変化するかをその位置関係の測定によって調査を行い,そのモデリングを実施することが必要である。

今後の研究の推進方策

次年度の課題として,次の点を考慮して研究を遂行する。
1,3台以上の電力変換器によるノイズの干渉・重畳モデリング
2,Q値を用いたノイズフィルターの高精度モデリング
3,重畳と干渉現象の電力変換器の位置によるモデリング
1については,これまでは2台のシステムの干渉・重畳において,その位置関係の違いによる実験・シミュレーションを実施してきたが,次年度については,更にシステムを追加し,このシミュレーションを適用して効果の程を実証する。2については,コモンモードチョークコイルやトランスなど,浮遊容量や配線インダクタンス等を含む材料はその特性を等価回路で正確に模擬することが難しい。そこで,FEMシミュレーションや組み合わせおよびQ値を目的関数とした最適化手法などを併用してより正確なモデリングを行っていく。3については,ノイズの重畳・干渉において,電力変換器の複雑な位置情報を考慮することで,シミュレーション結果の再現性を高めていく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件)

  • [学会発表] Parameter design and modeling method for leakage current of DC/DC converter2023

    • 著者名/発表者名
      Kojima Naoki; Kitagawa Wataru; Takeshita Takaharu
    • 学会等名
      21st International Symposium on Electromagnetic Fields in Mechatronics, Electrical and Electronic Engineering
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 伝導性ノイズ解析のための漏れ電流回路モデリングにおけるパラメータフィッティングの一検討2023

    • 著者名/発表者名
      久保克真・小嶋直樹・柳澤日向・北川 亘・竹下隆晴
    • 学会等名
      令和6年電気学会全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 電力変換の伝導ノイズによるPLCへの影響及びモデリング手法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      小嶋直樹,北川亘,竹下隆晴
    • 学会等名
      パワーエレクトロニクス学会・第249回定例研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 電力変換装置の伝導ノイズによるPLCへの影響及びモデリング2022

    • 著者名/発表者名
      小嶋 直樹,服部 貴斗,北川 亘,竹下 隆晴
    • 学会等名
      2022年電気学会産業応用部門大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] SiCデバイスを用いたAC/DCコンバータにおける伝導性ノイズモデリングの高精度化に関する一考察2022

    • 著者名/発表者名
      奥井 俊平,北川 亘,竹下 隆晴
    • 学会等名
      第31回MAGDAコンファレンス
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] DC/DCコンバータにおけるリンギング波形のモデリング及びスイッチング周波数のノイズシミュレーション2022

    • 著者名/発表者名
      服部 貴斗,北川 亘,竹下 隆晴
    • 学会等名
      電磁環境/半導体電力変換合同研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Modeling method for conducted noise flowing in power lines of DC / DC converter2022

    • 著者名/発表者名
      HATTORI Takato, KITAGAWA Wataru, TAKESHITA Takaharu
    • 学会等名
      Proceedings of the 25th European Conference on Power Electronics and Applications EPE ’22 ECCE Europe
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Modeling Method for Bidirectional Conducted Noise Simulation of DC-DC Converter2022

    • 著者名/発表者名
      Takato Hattori, Wataru Kitagawa, Takaharu Takeshita
    • 学会等名
      Proceedings of 2022 International Conference on Electrical Machines and Systems
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi