研究課題/領域番号 |
22K04052
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
加藤 修平 日本大学, 生産工学部, 准教授 (40802294)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | フライホイール / エンジン / 停電保護装置 / クラッチ / 空燃比 / 停電 / コジェネレーション |
研究開始時の研究の概要 |
日本は停電が稀な国の一つであるが,東南アジアでは停電が頻発する。そのため,停電が日本企業の工場進出に向けた大きな障壁の一つになっている。本研究は停電対策装置として,これまで広く利用されてきたバッテリ式の弱点を克服できるフライホイールと呼ばれる回転する円盤を用いたシステムの実用化を目的とし,停電多発地域における工場の安定操業を目指している。本研究は原理的に長寿命でリサイクル可能なフライホイールと停電の際に切れ目なく長時間電力供給可能なエンジンの組み合わせによる停電対策装置を目指している。
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研究実績の概要 |
本研究は東南アジア(インドネシアなど)などへの日本企業工場進出に向けた大きな課題の1つになっている停電対策装置として、これまで広く利用されてきたバッテリ式の弱点を克服できるフライホイールと呼ばれる回転する円盤を用いたシステムの実用化を目的とし、停電多発地域における工場の安定操業を目指している。
研究実施計画に基づき、(i-1) 燃料調整アクチュエータ製作、(i-2) アクチュエータ制御プログラム実装、(i-3) 電磁クラッチ動作時間実験検証を実施した。 (i-1) のアクチュエータは0.36度の分解能を持つステッピングモータにより燃料開度を制御できる機構を製作した。(i-2)の制御プログラムはエンジン軸に1回転あたり60パルスを発生する歯車を実装し、そのパルス幅よりエンジン回転数をディジタル信号処理装置に入力した。さらに、そのエンジン回転数に応じて前述のステッピングモータを8ビットの分解能で調整できるようにディジタル信号処理装置に実装した。(i-3)の電磁クラッチの動作時間については定格24Vの印加電圧をフォーシング(一時的に高い電圧を印加)することで励磁電流を急速に立ち上げる制御を実施した。これにより0.42秒であった動作時間(電圧印加から接続完了までの時間)を約50%減の約0.2秒に短縮できた。さらに、(i-4) 適切な空燃比制御法ついてはアクチュエータを駆動するドライバを実装し、燃料スロットルが0%~100%までを約300段階で調整できる機構を実装した。これにより模擬停電実験(負荷がほぼ100%)においてガバナ制御(PID制御)とキャパシタ制御により停電時(過渡期含む)においても負荷電圧を95%以上に維持可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
模擬停電実験にて回転数低下に伴う負荷電圧維持方法としてキャパシタ制御を実装した。広範囲な負荷条件に対応するためには、このキャパシタ制御の実装段数の多段化が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に基づき、電磁クラッチでの摩擦損失エネルギや温度上昇を明らかにし、頻繁な起動停止における実用性や寿命への知見を得る。加えて熱電併給(コジェネ)やマイクログリッド需給調整等の広くエンジンに関わるアイドリングストップへの技術移転についても検討する。
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