研究課題/領域番号 |
22K04057
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 東洋大学 (2023) 大同大学 (2022) |
研究代表者 |
浦井 一 東洋大学, 理工学部, 教授 (50912094)
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研究分担者 |
小島 寛樹 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (00377772)
沖野 晃俊 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (60262276)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 大気圧プラズマ / 高電圧絶縁材料 / 樹脂表面改質 / 絶縁樹脂材料表面改質 / 高電圧電力機器 |
研究開始時の研究の概要 |
大気圧低温プラズマは,反応性の高い活性種を高密度に生成できることから,高分子材料や金属の表面処理への応用が進んでおり,材料表面の疎水性・撥水性の付与,異種材料の接着性向上,酸化チタン膜のコーティングなどの効果が実証されている。本研究では,高電圧機器で用いられている樹脂製の絶縁材料の特性改善に着目し,照射するプラズマのガス種や温度を自由に制御できる独自のプラズマ装置を用いた大気圧低温プラズマ照射により樹脂表面を改質して,高電圧分野において課題となっている樹脂製絶縁物の沿面耐電圧の向上および帯電抑制/除電促進といった電気的特性に及ぼす影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、大気圧プラズマジェットを金属や樹脂に照射することで、親水性・疎水性のコントロールが可能であることから、大気圧プラズマ処理により、樹脂材料表面の電気的特性をコントロールすることに着目している。特に、高電圧電力機器で用いられる絶縁材料に関して、プラズマ処理により辺面耐電圧特性と、帯電のコントロールが可能か調査することを目的としている。昨年度製作した大気圧プラズマ発生装置を用いて、今年度はプラズマ生成条件および絶縁材料へのプラズマ照射効果について調査した。具体的には、プラズマ生成時の放電特性の測定、電気絶縁材料表面のぬれ性に与えるプラズマ照射の影響調査,電気絶縁物表面の電気的特性計測方法を調査した。以下に得られた主な結果を示す。 (1) 作動ガスとして空気を用いた場合の、プラズマ発生時の放電電圧特性を測定した。間欠的な放電が生成されていること、ガス流量を5 litter/min程度まで増やすと、プラズマ出力は増加するが、放電が不安定になることを明らかにした。 (2) フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)およびアクリル樹脂を被照射物として、プラズマ照射によるぬれ性の変化を測定した。空気を用いた場合でも、親水性が高められる条件を求めることができた。 (4) 電機絶縁材料表面の電気的特性測定のサンプルの形状を検討した。大面積での照射がゆうりであることから、大面積サンプルへの照射が可能な誘電体バリア放電方式のプラズマ装置を試作し,親水化と高い均一性が得られることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は研究責任者の大学異動の実験装置再立ち上げがあり、当初予定より実験に遅れが生じたが、基本的なプラズマ発生と樹脂材料への照射効果に関しては計画通りに、大気圧プラズマジェット装置と、プラズマ照射後の樹脂のぬれ性計測装置を製作し,絶縁樹脂材料へのプラズマ照射効果を確認できた。フッ素樹脂およびアクリル樹脂へのプラズマ照射により親水性をコントロールできることを実験的に確認した。一方,ぬれ性の変化が長時間定着しない問題点も明らかになり、プラズマ装置の放電電圧特性などの測定から照射条件を再検討するとともに、プラズマ発生装置の高出力化の検討に着手した。
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今後の研究の推進方策 |
電気的特性の実験準備は予定通り完了しており、プラズマ照射試料が想定通りに作成できれば、当初予定していた絶縁樹脂材料の電気的特性の評価を完了できる予定である。ただし、樹脂材料への照射実験においてプラズマパワーが不足することが今年度の研究で明らかになっており、装置の改良も進める。電気的特性の準備は完了しており、改良装置を用いて樹脂材料サンプルを作成して、今年度中にプラズマ照射効果を検証する計画である。
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