研究課題/領域番号 |
22K04061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
今野 佳祐 東北大学, 工学研究科, 准教授 (20633374)
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研究分担者 |
藤井 勝巳 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波標準研究センター, 研究マネージャー (20333891)
陳 強 東北大学, 工学研究科, 教授 (30261580)
チャカロタイ ジェドヴィスノプ 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波標準研究センター, 主任研究員 (30626883)
村上 靖宜 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (70849041)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | リフレクトアレー / エンドファイアアレー / モーメント法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は4年計画である.令和4年度はエンドファイアリフレクトアレーの設計法を構築し、アレー水平方向へのビーム走査を実現する。令和5年度は設計法を高度化し、ビーム走査方向の拡張を図る。令和6年度は設計法を高度化し、2次元的なビーム走査と低損失化を実現する。令和7年度は設計したエンドファイアリフレクトアレーを無線通信に応用し、屋内における電界強度の改善を試みる。
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研究実績の概要 |
今年度は,線状モノポールアンテナを用いたエンドファイアリフレクトアレーの設計を行った.まず,入射波の入射角度,素子間隔,およびビーム走査方向の関係を解析的に明らかにした.次に,所望の方向に主ビームを有するエンドファイアリフレクトアレーを設計し,電磁界数値解析法であるモーメント法を用いてその散乱パターンを明らかにした.その結果,解析的に明らかにした通り,入射角度に応じて適切な素子間隔を与えると,所望の方向へ主ビームが出ることが分かった.また,10 GHz帯において設計したエンドファイアリフレクトアレーを試作し,その散乱パターンを電波無響室で測定した.測定した散乱パターンは数値解析結果とよく一致しており,エンドファイアリフレクトアレーの有効性を実験的に明らかにした.これらの研究成果は大学院生との共同研究の成果であり,電子情報通信学会のアンテナ・伝播研究会の企業・学生セッションにて発表された.研究内容が高く評価され,当該大学院生が優秀ポスター発表賞を受賞するに至った. 本研究の関連研究として,アンテナの効率的な数値解析法,電流分布推定法,およびアレーアンテナを用いた無線電力伝送法に関する研究を行った.これらの研究成果は学術論文にまとめられ,1件採録済み,2件は現在投稿中である.なお,アンテナの効率的な数値解析法に関する研究の一部は電子情報通信学会のアンテナ・伝播研究会のチュートリアル講演として発表された.このチュートリアル講演では,大規模な周期構造の数値解析法の利点や欠点など,関連研究の遂行に際して得られたノウハウが聴講者に共有された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では,令和4年度の目標はエンドファイアリフレクトアレーの設計法の構築であった.具体的には,入射波の入射角度,素子間隔,およびビーム走査方向の関係を解析的に明らかにすること,主ビームをアレー水平方向に向けるための立体構造素子を導入し,エンドファイアリフレクトアレーを実現すること,の2点が目標であった.令和4年度は,これらの研究目標をいずれも達成しているので,当初の計画で掲げた目標は達成されたものと考えている.当初の目標の達成後は,素子の最適化や不要ビームの抑圧などの課題にも取り組んでおり,本研究は当初の計画以上に進捗している.
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今後の研究の推進方策 |
本研究の令和5年度の目標は設計法の高度化である.モノポール素子を用いたエンドファイアリフレクトアレーは前方散乱が大きくなってしまい,所望方向の散乱断面積が低下するという欠点があった.その欠点を解消するため,素子の最適化を行う.前方散乱の小さい素子を用いてエンドファイアリフレクトアレーを実現することで,不要な前方散乱の抑圧を目指す.これらの目標に向かって,代表者および分担者が定期的にミーティングを重ねながら研究を遂行する.目標を早期に達成できた際は,2次元アレーやリコンフィギャラブルアレーへの拡張,および無線通信環境の改善への応用など,さらに先の方向へ研究を進めてゆく予定である. 関連研究においては,アンテナの効率的な数値解析法の研究を進める予定である.波長に比べて大規模な散乱体を伝達関数としてモデリングする手法を確立し,周期構造等の散乱体について,アンテナの数値解析のための計算コストを大幅に抑えることを可能にする.これに加え,逆問題などの数理的な研究や,無線電力伝送などの応用面の研究も引き続き実施していくことを計画している.
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