研究課題/領域番号 |
22K04063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
船渡 寛人 宇都宮大学, 工学部, 教授 (60272217)
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研究分担者 |
春名 順之介 宇都宮大学, 工学部, 助教 (40609369)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | マルチレベル線形増幅回路 / 不均等電源 / マルチレベル変換器 / インバータ / 電力変換回路 / 線形増幅器 / マルチレベル |
研究開始時の研究の概要 |
スイッチングによる電力変換は高効率を実現した反面、高調波成分による雑音が問題となる。線形増幅回路は高調波の無い出力を実現することができるが、効率が低く双方向電力変換ができない。両者の特徴を兼ね備えた電力変換回路としてマルチレベル線形増幅回路(Multi-Level Linear Amplifier: MLLA)が提案された。MLLAはインバータのようにスイッチングによるEMIを原理的に発生させないが、線形増幅であるため原理的に損失が発生する。本研究では同一段数において、電源電圧配分および三相における変調法(制御法)を工夫することで、インバータと遜色ない90%台後半への効率向上を目指す。
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研究実績の概要 |
スイッチングによる高効率な電力変換と高調波の無い出力を実現することができる線形増幅回路の特徴を兼ね備えた電力変換回路としてマルチレベル線形増幅回路(Multi-Level Linear Amplifier: MLLA)が提案されている。本研究ではMLLAの一種であるダイオードクランプ線形増幅回路(Diode-Clumped Linear Amplifier: DCLA)において単相定格力行運転時に電源電圧区分を不均等とすることで効率が向上することを発見したことをベースとして、負荷変動や力率変化時、三相回路やDCLA以外の他方式への適用を検討して広い条件下におけるMLLAの高効率化を図り応用範囲拡大を目指している。 本年度の実績として実施計画の項目別に説明する。【①正弦波単相における電圧配分検討】項目については、力率を0から1まで全範囲で変化させた場合の最適電源電圧区分を導出してシミュレーションで検証した。その結果、概ね力率角30度以下の場合は提案した不均等電源電圧配分を採用し、力率角が30度以上では均等電源電圧配分が最大効率となることを見出した。【②三相における検討】項目については、主に二相変調に着目してインバータとは異なる線形増幅独自の変調方法とそれに適した電源電圧配分について理論検討を進めている。【③不均等直流電源の実現】項目については検討の結果、当初予想していたフライバック型ではなく、昇降圧型にて実現可能であるとの結論が得られてシミュレーションにより検証した。 予備調査対象で2年目以降実施予定の項目の内、【④FCLAにおける電圧不均等化適用検討】については電圧切替点に着目すればDCLAと同じ切替点が適用できることを発見した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では、【①正弦波単相における電圧配分検討】【②三相における検討】【③不均等直流電源の実現】の3項目について、①は準備している実験を2022年度に開始できるようにする。②③については理論検討を2022年度に進めて、2023年度に実験開始、2024年度には結果をまとめるとなっていた。①の実験については実験装置のプロトタイプが完成して基本動作を確認することができた。また、測定環境を整備して実験の開始を実現できた。②③については当初予定通り理論検討が進んだ上に、②については実験装置の設計を開始することができて、当初予定より若干進捗している。 また、2年目以降実施予定の【④FCLAにおける電圧不均等化適用検討】について着手して基礎的な検討が進んだため、表記の評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
【①正弦波単相における電圧配分検討】については負荷装置を整備して実験検証を進める。【②三相における検討】については、二相変調方式を中心に出力振幅、力率変化に対する最適電圧配分の検討を進める。併せて実験環境の整備を進める。【③不均等直流電源の実現】については、基本検討が完了したので実験装置作成に向けて検討を進める。 2年目以降に着手を検討する項目の内、【⑤性能が良くないp型MOSFETを用いず、n型のみを用いた回路への適用検討】について、スイッチング回路と線形増幅を組み合わせた回路を中心に基礎検討を進めることとする。
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